[つなげW杯]草の根 アジアにラグビー…ポストW杯 協会の試み

菊谷さん(右)が見守る中、ラグビーボールで遊ぶネパールの柔道場の子どもたち(菊谷さん提供)

9月開幕のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の先を見据えた事業を、日本協会が進めている。W杯開催を追い風に、普及が進んでいないアジアにラグビーを根付かせる試みだ。

5月中旬、元日本代表主将の菊谷崇さん(39)はネパールで開かれたラグビーフェスタに招かれ、約60人の子どもらと触れ合った。アジア初のW杯を盛り上げようと地元関係者が企画したもので、男女関係なく
楕円(だえん)球を追う楽しさを伝えた。「でこぼこのグラウンドもあって環境は良くないが、子どもは楽しそうだし、指導者の情熱はすごいと感じた」と菊谷さんは言う。

3日間ほどの滞在では、障害者施設も訪れた。パラリンピック競技のボッチャを体験した時には、通常は小さく丸い球を扱うところ、ラグビーボールを投げて大盛り上がり。行く先々でラグビーを通じてつながっていく中、菊谷さんは地元の人の言葉が胸に残った。

「ラグビーやサッカーのW杯、五輪には日本や韓国が出場するので、(同じアジア勢として)応援しているんですよ」。今回のW杯に出場しないネパールは、五輪も含めて自国選手が国際舞台で活躍するような強国ではない。ならば、と同じアジアの仲間に声援を送るというのだ。「これはすごいなと。日本のW杯というより、アジアの人たちが応援してくれる大会だと気づけたのは大きかった」と菊谷さんは感慨を込める。

日本協会では外務省などと連携し、指導者の派遣や用具の提供、選手らの受け入れを続けている。日本協会責任者の元日本代表、向山昌利さん(44)は「W杯の後にラグビーをいかにアジアに普及させ、参加者同士が友好親善を深められるか。これからも続けたい」と話している。(清水暢和)

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