不屈の釜石 高校生発信…ラグビー代表戦 感謝の交流

岩手県釜石市の「釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム」で27日に行われたラグビー・ワールドカップ(W杯)の前哨戦は、東日本大震災で被災した「ラグビーの街」の復興を世界に発信する場にもなった。津波で自宅を失った同県立釜石高3年の洞口留伊(ほらぐち・るい)さん(17)は、震災時に世界中から寄せられた支援への感謝を伝えようとスタジアムを訪れた。

試合前、洞口さんはスタジアム周辺で、友人4人と国内外の観客に声を掛け、スマートフォンでの撮影を楽しんだ。対戦相手のフィジーの人たちとも撮影し、「Thank you」と言葉を交わした。

支援への感謝の気持ちを発信しようと6月から始めた「釜石7・27高校生感謝プロジェクト」の一環で、この日集めた約300枚の画像でスタジアムのモザイクアートを作り、フィジー大使館などに贈るつもりだ。洞口さんは「海外の人にも感謝の気持ちが伝えられた」と笑みを浮かべた。

釜石市鵜住居町で生まれ育った洞口さんは、小学3年の授業中に大きな揺れに見舞われた。必死に高台に逃げて助かったが、自宅は津波で全壊。その後、支えになったのは、国内外から届いた物資や励ましだった。小学校にランドセルや筆箱が届き、各国から励ましの手紙が寄せられた。

地元有志が15年のW杯イングランド大会に中学生を派遣した事業に参加し、初めてラグビーを観戦した。現地の歓迎ぶりに感動し、「日本のW杯では、釜石を訪れる人たちを精いっぱい歓迎しよう」と心に誓った。

昨年4月に自宅が再建され、街の復興も少しずつ進む。洞口さんは、「W杯をきっかけに釜石をもっと人が集まる場所にしたい。それが自分たちの世代の役目」と本大会の開催を待ちわびている。

洞口さんのふるさと、釜石での日本代表戦では、地元のラグビーファンらが応援の大漁旗を振った

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