日本 快勝締め…4トライ PNC優勝

前半11分、福岡が中央にトライを決める=伊藤紘二撮影

フィジーの首都スバで10日に行われたラグビーのパシフィック・ネーションズ杯(PNC)で、世界ランキング11位の日本が13位の米国から前後半2トライずつを奪って快勝し、3戦全勝で優勝した。通算対戦成績は日本の10勝1分け13敗。日本は前半3分にラインアウトからのモールでリーチが先制トライを挙げると、福岡の3試合連続トライなどで前半を20―13で折り返した。後半は山中、リーチがトライを決め、米国の反撃をしのいだ。

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米国をパワーで圧倒

日本は立て続けに反則を犯し、もどかしさは残った。ワールドカップ(W杯)で強豪のアイルランドスコットランド相手に反則を連発すれば、勝機は遠のく。落球で好機を潰す場面も目立った。だが、3日のトンガ戦から先発を7人入れ替えながらも4トライを奪い、勝ちきったことに価値がある。

PNC過去2戦同様、大柄でパワフルな選手がそろう米国にも力負けしなかった。縦への突進を図る相手に対し、前に出る防御で次々とタックルし、簡単に突破は許さない。ボールを持っている米国が後退するシーンも目についた。前半3分、相手陣深くのラインアウトからモールを押し込み、リーチがインゴールで押さえた。力勝負で先制トライを奪い、その後も体力自慢の米国とパワーで互角に渡り合った。

後半15分、相手キックを処理した福岡、山中が大きく突破し、球をつないで最後はフォローしたリーチが自身2トライ目。日本の速い攻めも機能した。

今大会3試合で14トライを奪い、許したのは6トライ。稲垣は「体が強いと言われている相手に対し、こちらの強さを見せつけるシーンが増えた。4年間取り組んできたことが浸透してきた」と手応えを語る。

堀江は3戦全勝という好結果を前向きに捉えつつ、「これが限界ではない。成長する余地、時間はある」と言った。W杯8強入りを目指す日本にとって、勝ちながら課題を確認できる有意義な大会となった。(スバ 矢萩雅人)

日本・ジョセフ・ヘッドコーチ「選手の努力、結果に満足している。米国にプレッシャーをかけられ、日本もベストパフォーマンスではなかったが、W杯へいい予行演習になった」

後半、果敢に突進する山中

31歳山中 生き残りへ気迫

この一戦にかける山中の気迫が見てとれた。今季初めて出場したテストマッチ(国・地域同士の国際試合)は、W杯メンバー31人の発表前最後の公式戦。当落線上にいる31歳のFBは、「ラストチャンス」と臨んだ。

前半17分過ぎ、その思いがあだとなった。「硬くなった」とハイボールの処理で落球。ただ、直後に密集で相手側へこぼれた球に反応し、飛びつくように体を滑らせてマイボールにした。「昔ならやらなかった」という泥臭いプレーで挽回すると、攻撃では後半2分に田村との連係からトライを奪い、同15分には持ち前の突破力で40メートルほど前進し、リーチのトライを演出した。

良さも悪さも出た試合を、「(気持ちを)切り替えることができたのは良かった」と締めくくった。「誰が安定したプレーができたかを吟味して選考したい」と話すジョセフ・ヘッドコーチの判断はわからないが、気持ちのこもったプレーは日本の力になるだろう。(中安真人)

福岡 3戦連続トライ

福岡が圧倒的なスピードで攻撃陣を引っ張った。前半11分に松島からパスをもらって3試合連続のトライを決めた。後半には左タッチライン際を独走し、最後はショートパントで相手をかわしてインゴールまで持ち込んだが、タッチラインを踏んでいたとしてトライは無効に。「気持ちよくボールを置いたんですけどね。精度高くやらないといけない」と反省も忘れなかった。

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