[桜の戦士]流大(26)高い統率力 言葉が武器

スーパーラグビー・サンウルブズで主将の重責を背負う流(2018年1月28日、矢萩雅人撮影)

冷静で視野が広く、よく通る声で的確に指示を出す。流大はまさにリーダーの資質を備えていると言っていい。そんな特徴は、何げない練習の一こまにも表れる。

21日、網走市内での合宿の練習。最後のメニューとなる15人対15人の実戦形式の終盤にシナリオが設定された。「主力組は2点差以内で負けており、最後のプレーをスクラムで再開する」。ドロップゴール(DG)の3点で逆転するのが理想の結末だ。プレーが始まろうとした時、スクラムの体勢に入ったFW陣を呼び止めた。

円陣を作り、声をかける。「みんな勢いのままに組もうとしていた。FWのディテール(細部)が全て得点につながると伝えた」。スクラムで反則を犯せば、その時点で試合は終わる。練習であっても常に本番を想定する意識付けをした効果もあり、安定したスクラムから最後は田村優(キヤノン)のDGが決まり、良いムードで練習は終わった。

代表ではリーダーの一人として、主将のリーチマイケル(東芝)からの信頼も厚い。そのキャプテンシーは高校時代に培われた。日本代表を将来の夢に掲げて入学した熊本・荒尾高(現・岱志高)は、高校から競技を始める選手もおり、「意欲に差があった」という。

主将として時には厳しいことも言わなければならない。その分「どんなことも100%で取り組む姿を見せようと思った」。授業が終わると走ってグラウンドに一番乗りし、練習道具を用意した。朝練までの時間を個人練習に充てるため、早朝5時過ぎに起きて福岡県久留米市の自宅を出た。徳井清明監督は「しんどいことを頑張るから言葉に説得力があった」と話す。

2年連続で全国高校大会に出場し、帝京大では主将を務めた2014年度に全国大学選手権で6連覇を達成。サントリーでも2年目から主将を任され、日本一に導いた。スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズで主将を務めた18年シーズンは開幕から9連敗。その時々で、チーム作りの難しさは感じたが、決して怠らなかったのは、声を出し、ハードワークをすることだった。

高校時代、寝室の天井に「日本代表になる」と貼り紙をした。目標が頭に残ることで、ふさわしい行動ができると考えたからだ。代表の激しいポジション争いにも「自分の長所はチームを動かすコミュニケーション力。ここでは負けない」と力強く語る。言葉の持つ力は、誰よりも知っている。(中安真人)

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