[桜の戦士]レメキロマノラバ(30)鋭いステップ「特殊能力」

ラグビー日本代表候補で作る特別チーム「ウルフパック」で躍動するレメキ(2019年4月20日、伊藤紘二撮影)

日本が3戦全勝で優勝を飾ったパシフィック・ネーションズ杯(PNC)は、ノートライに終わった。第1戦のフィジー戦、第3戦の米国戦は途中出場。先発した第2戦のトンガ戦では再三、相手防御網を破ったものの、ゴールラインまでは届かなかった。

結果だけ見れば不完全燃焼。しかし、本人の心の中は違うようだ。「トライは取れなかったけど、状態は上がっている。(ワールドカップが開幕する)9月にちょうどピークになると思うよ」

相手に当たり負けない力強い走りとキレのあるステップを武器とする。テストマッチ(国・地域代表の国際試合)11試合で7トライをマーク。日本代表のジョセフ・ヘッドコーチから、WTBで定位置を争う福岡堅樹(パナソニック)、松島幸太朗(サントリー)とともにトライを取り切る能力を高く評価されている。

トンガ出身の両親のもと、ニュージーランド(NZ)で生まれ、ラグビーに専念できる環境を求めて2009年に来日した。2014年に日本国籍を取得。日本語が堪能で、他の外国出身選手に日本語での意思疎通の大切さを説いている。漢字も「結構読める」と言う。

まず7人制の日本代表で台頭した。2016年リオデジャネイロ五輪でNZを破るなど4位と躍進したチームの中心選手として活躍した。リオ五輪後、15人制日本代表にも招集され、デビュー戦となった同年11月のアルゼンチン戦でトライを決めると、続くジョージア戦でも2トライと躍動した。しかし、その試合で右膝の靱帯(じんたい)を断裂し、長期離脱を強いられた。

それでも、「全く不安はなかった」という。手術、リハビリをへて、約8か月で実戦復帰を果たす。昨年6月のジョージア戦では相手を3人、4人と巧みに抜き去る圧巻のトライを決めた。昨年秋は負傷でNZ戦や英国遠征に参加できず、その後もけがが続いたが、持ち前の明るい性格でリハビリに励んで乗り切った。現在の北海道網走市内での代表合宿でも、パワフルな走り、倒れた後に素早く立ち上がって次のプレーへ向かう速さは際立っている。

華麗さと泥臭さを兼ね備えた30歳のトライゲッターは、4人の子どもの父親でもある。7歳の長男もラグビーをしており、「子どもに『トライを取らないとだめ』と言われている。トライを子どもたちにささげたい」と話す。来年の東京五輪出場も目標に掲げる。チームのため、そして家族のためにトライを狙い続ける。(矢萩雅人)

リラックスした表情で練習するレメキ(2019年8月6日、伊藤紘二撮影)

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