[桜の戦士]堀江翔太(33)ステップ華麗 BK並み

フィジー戦で相手を交わしながらボールを運ぶ堀江(7月27日)=伊藤紘二撮影

7月27日、パシフィック・ネーションズ杯(PNC)のフィジー戦で、FWらしからぬ動きを見せた。前半20分過ぎ、右タッチライン際でパスを受けると、鮮やかな身のこなしで相手をかわして前進。タックルされながらも片手でパスを通し、日本のトライにつなげた。

スクラムを最前線でコントロールし、ラインアウトでボールを正確に投げ入れるフッカー本来の役割だけではなく、BK並みのステップや技ありのパスも持ち味だ。個性的なドレッドヘアが印象的なベテランは「根はめっちゃ真面目」と自らを言い表す。帝京大、パナソニックと同じ道に進んだ26歳のフッカー坂手淳史は「試合で焦らないし、何が求められているか判断するのも早い。アドバイスもくれる大きな存在」と話す。

帝京大で主将を務めた頃は、まだ大学日本一に君臨する前。卒業後、ナンバー8からフッカーへ転向した。2009年に日本代表デビューを果たし、11年ワールドカップ(W杯)に出場。全4試合に先発した15年W杯では、安定したセットプレーを支えるなど歴史的3勝を挙げる立役者となった。

先駆者としてスーパーラグビー(SR)にも挑んだ。レベルズ(豪)に加入し、13年、田中史朗(現キヤノン)とともに南半球最高峰リーグでプレーした最初の日本人に。16年にSRへ参戦した日本チーム、サンウルブズの初代主将に就任すると、代表でも主将に指名され、重責を担った。

トンガ戦(8月3日)でパスを出す掘江=川崎公太撮影

サンウルブズでは黒星が続く中、チームをどうまとめるか腐心し、「自分のことを考えることは一切なかった」と振り返る。代表では、就任間もないジョセフ・ヘッドコーチ(HC)と意見をぶつけ合った。

現在の日本は、選手のリーダー陣がHCらスタッフと話し合ってチームの方針を決めるなど、選手の自主性が重視されている。チームを徹底的に管理したジョーンズ前HCに率いられた前回W杯後、リーチマイケル(東芝)と「もっと選手が主体性を持ってできるのでは」と話した。それが自主性重視につながる土台となり、「スタッフ含めて一つのチームでやれていると感じる」と手応えを口にする。

座右の銘は「勇気なくして栄光なし」。常に挑戦してきた男は「勇気を出していろいろやってみて後悔したい」。昨秋の右足疲労骨折を乗り越え、今年3月下旬に実戦に復帰。PNCでも全3試合に先発して優勝に貢献した。

「このチームを勝たせたい。だから何でもしようと思っている。体は4年前より大きくなった」。前回は届かなかったW杯8強入りに向け、経験豊富な大黒柱は着実に前へ進んでいる。(矢萩雅人)

 

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