アルゼンチン<下>長期的強化で強豪国入り

ラインアウトで競り合うジャガーズ(左側)とサンウルブズ。試合はジャガーズが大勝した(6月14日、ブエノスアイレスで)=福井浩介撮影

ラグビーのアルゼンチン代表は、ネコ科のピューマを表す「ロス・プーマス」の愛称で知られる。1987年の第1回ワールドカップ(W杯)から全大会に出場している。かつては日本と同じ中堅国だった。最初の3大会はグループリーグで敗退し、1999年大会で8強入り。強豪国の仲間入りを果たしたきっかけは2007年、3位に躍進したW杯フランス大会だ。

この大会には、欧州のクラブでプレーするプロ選手中心のチームで臨んだ。開幕戦で地元フランスを破り、準々決勝でスコットランドを退けた。準決勝は南アフリカに敗れるも、3位決定戦で再びフランスを撃破した。

代表選手は原則国内組

ただ、快進撃は同時に国内ラグビーの危機にもなった。「選手がお金のために欧州に行ってしまう」とアルゼンチン・ラグビー協会のマルセロ・ロドリゲス会長。以降は代表選手を原則として国内組に限り、強化を始めた。

同年から2030年までの長期強化計画の一環が、2012年からの南半球4か国対抗「チャンピオンシップ」と、2016年からの「スーパーラグビー」参戦だ。ニュージーランド、豪州、南アフリカといった強豪国との対戦を重ね、代表は着々と力をつけていった。

2011年のW杯はベスト8で、前回大会は4強入りした。昨年は欧州でのテストマッチ(国・地域代表チーム同士の国際試合)で敗戦を重ねたが、これは世代交代を進めたため。今季のスーパーラグビーは、代表メンバー主体で編成した「ジャガーズ」がレギュラーシーズンを11勝5敗の南アフリカ地区首位で終え、プレーオフで準優勝と躍進した。強化は順調に進んでいる。

伝統的に強固な防御を武器とする。6月14日にブエノスアイレスで行われたスーパーラグビーで、日本チームのサンウルブズに52―10で大勝した。自陣でボールを奪い、一気にトライを決める得点パターンを披露。スピードやパワーでもレベルの差を見せつけた。

スーパーラグビーの会場で、W杯への日本ツアーを紹介するブース=福井浩介撮影

今年のW杯では初の決勝進出を目指す。ただ、大きな関門がグループリーグで待ち受ける。フランス、トンガ、イングランド、米国の順に対戦するC組はロドリゲス会長も「最悪。『死のグループ』だ」と嘆くほどの激戦区。「特にフランス、イングランドが困難な相手になる。こことまず全力で戦ってから、その後のことを考えたい」と話す。

代表ファンというファクンド・リオスさん(26)は「C組1位で通過するはず。チームはすごく強いから」と期待を寄せる。協会によると、来年、南米6か国で設立予定の新リーグにも参戦するという。今後も続く強化に向け、日本大会を弾みにできるだろうか。(アルゼンチン編は、福井浩介が担当しました)

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