日本代表[直前診断]<中>強力スクラム 無駄なし

「スクラムは自信を持つことができた。今までやってきたことが間違いではなかったと証明できた」。6日の南アフリカ戦(埼玉・熊谷)後、日本代表プロップの稲垣(パナソニック)は手応えを深めていた。

試合は7―41の完敗に終わった。だが、スクラムに関しては、世界トップクラスの重さと強さを誇る南アと互角に渡り合った。体格とパワーで強豪に劣る日本は伝統的にスクラムを苦手とし、過去のワールドカップ(W杯)での苦戦につながっていた。

今は違う。スクラムを指導するのは、日本代表プロップとして40キャップを持つ長谷川慎コーチ(47)。引退後、ヤマハ発動機の強力スクラムを築いた手腕が評価された。長谷川コーチは2016年の就任時から、FW8人全員のパワーを結集するスクラムを目指してきた。足裏の接地状態やFW第1列の尻と第2列の肩の当て方、フランカーが入る角度など「8人の力を絶対に漏らさない」(同コーチ)ため、多岐にわたる細かい動きを選手に要求している。

8月の北海道・網走合宿でも、第1列の3人だけでなく後ろの5人も含めて脚の動きをそろえ、全員が同じ間隔で前へ出られるよう練習に取り組んだ。対戦相手の特徴や主審の判定の傾向に応じた対策も必要だが、長谷川コーチは「相手が変わっても自分たちの組み方の大枠は変わらない。つらい時に自分たちのスクラムを組めるかが大事」と言葉に力を込める。

6日の南アフリカ戦では、ラインアウトのミスが目立った

ラインアウトは不安も

一方、南ア戦では、ラインアウトのミスが目立った。データスタジアム社の集計によると、ラインアウト成功率は南アが85.7%だったのに対し、日本は63.6%。特に前半は50%と苦戦した。試合中に配球を変えて修正できたものの、強豪との対戦では、ささいなミスが命取りとなる。

前回W杯での歴史的3勝は、スクラムとラインアウトといったセットプレーの安定に支えられていた。今回のW杯で対戦する格上のアイルランド、スコットランドには、セットプレーで圧力をかけられることが想定される。

球を外に蹴り出さず、プレーを継続することでセットプレー自体を減らす戦い方にも取り組んできた。だが、セットプレーで互角に戦って相手の強みを消すことができれば、試合をより優位に進められる。細部を突き詰める作業は果てしがない。

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