日本 さあ花開け…きょう初戦 堀江「勝つ自信ある」


ロシア戦を前に練習する日本代表の選手たち=伊藤紘二撮影

ロシア戦を前に練習する日本代表の選手たち=伊藤紘二撮影

20日にロシアとのワールドカップ(W杯)日本大会開幕戦に臨む日本代表は19日午前、会場の東京スタジアムで前日練習に臨んだ。公開された冒頭15分間では、攻撃時の動きやキックオフからの防御などを確認した。

練習後、記者会見した攻撃担当のブラウン・コーチは「私たちは常に新しい攻撃の選択肢を持っていて、試合ごとに行っている」と、手応えを口にした。

ブラウンコーチは、攻撃の要となるスタンドオフの田村(キヤノン)に対し、「重要な選手。私たちのチームが良い試合をした場合は、田村もいいプレーをしている」と全幅の信頼を寄せる。主将のフランカー、リーチ(東芝)やロックのトンプソン(近鉄)ら経験豊富な選手が多いことを日本の強みに挙げた。

同コーチはロシアについて、「キックで重圧を与えるのがうまい」と警戒し、「相手のキックをうまくキャッチして、そこから戦っていく。ボールを速く動かすことが重要になる」と話した。

先発予定のスクラムハーフ流(サントリー)は「すごく責任を感じている。選手をつないでいくようなコミュニケーションを取って、試合をコントロールしたい」といい、フッカー堀江(パナソニック)は「勝つ自信はある。全試合、準備してきたことを出したい」と意気込んだ。

ロシア代表「準備できた」

ロシア代表は19日、開幕戦の会場となる東京スタジアムで調整した。午後6時半頃から始まり、照明がともされたグラウンドでは冒頭の15分が公開され、フォワード(FW)はラインアウト、バックスはキックを確認していた。

昨秋の日本とのテストマッチ(国・地域代表同士の国際試合)ではFWが奮闘した。27―32で負けはしたものの接戦に持ち込んだ。その時も先発だったプロップのモロゾフは、日本のスクラムについて「勝つのが難しかった。規律のあるスクラムを組んでくる」と印象を語り、「前回テストマッチと同じくらい準備はできている。それを見せたい」と自信をのぞかせた。

◆レセプションに秋篠宮ご夫妻ら

W杯日本大会の関係者を招いたレセプションが19日、東京都港区のホテルで開かれた。約600人が招待され、大会名誉総裁の秋篠宮さまと同妃紀子さま、日本ラグビー協会名誉総裁の三笠宮家の彬子(あきこ)さまをはじめ、国際統括団体ワールドラグビーのボーモント会長や安倍首相らが出席。秋篠宮さまは「世界中の方々の心にいつまでも残る素晴らしい大会となることを祈念します」とあいさつされた。秋篠宮さまは20日の開会式で開幕宣言をされる。

◆ホイッスル到着

開幕戦で主審が試合中に吹く公式のホイッスルが19日、東京スタジアムに届いた。ホイッスルは、ロンドン近郊のトゥイッケナム競技場を2月に出発し、ユーラシア大陸を横断する約2万キロを230日かけて自転車で運ばれた。12日に中国・上海からの船で大阪市の大阪港に到着し、東京スタジアムを目指していた。自転車をこいだのは南アフリカ出身のロン・ルトランドさん(45)と香港出身のジェームス・オーウェンさん(28)。主審に笛を手渡したルトランドさんは「長い間、W杯を楽しみにここまで来た。きょうからは自転車を置いて日本を楽しみたい」と笑顔で話した。

[データで見る]ロシア セットプレー要警戒…横の揺さぶりに弱さ

日本は昨年11月のテストマッチでロシアと対戦し、32―27と苦しめられた。体格を生かしたパワーやセットプレーには注意が必要だ。ロシアは今年8月17日のイタリア(世界ランキング14位)とのテストマッチで15―85と大敗した。トライはイタリアの13本に対して2本。だが、その2トライに、日本が苦しめられたロシアの特長が垣間見える。

前半18分、ハーフウェーライン付近のラインアウトでロックのガルブゾフがボールを確保した。モールからバックス(BK)に展開すると、センターのオストロウシコが相手防御を突破して大きく前進。最後はスタンドオフのガイシンのキックパスを受けたウィングのゴロスニツキーが左隅に飛び込んだ。

身長1メートル90を超える両ロックを中心としたラインアウトには安定感がある。データスタジアム社の集計によると、イタリア戦の成功率は66・7%とやや落ちるが、11月の日本戦ではマイボールのラインアウト9本をすべて確保した。重量感のあるスクラムも攻撃の起点になりそうだ。

イタリア戦の後半39分のトライは、相手ゴール前でラックを連取し、ロックのフェドトコが強引にねじ込んだもの。日本は11月の対戦で反則を繰り返し、局地戦で前進する相手のスローペースに付き合わされた。ロシアの司令塔クシナリョフは「なるべくフォワードにボールを渡し、端から端にボールを動かすことにチャレンジしたい」と話す。

防御面は弱点が明確だ。イタリア戦では、奪われた13トライのうち8本を相手の2次攻撃までに許している。縦への攻撃に対しては接点ではね返す強さを見せる一方で横の揺さぶりに弱く、防御網をあっさり突破されるもろさも目立った。

11月の試合ではキックを効果的に使い、日本陣内でフォワードを生かす戦術をとったロシア。日本はセットプレーで互角に渡り合い、攻撃のテンポを上げて好調なBK陣を縦横無尽に走らせたい。(今井恵太)

[大畑大介の目]速いテンポで展開を

 けが人を除けば、現状のベストメンバーだろう。初戦はどのチームも難しい戦いになる。特に開催国で開幕試合という大きな重圧がかかる中で、主将のリーチがどういう形でマネジメントするのかが重要になる。

ロシア戦のポイントは、6日の南アフリカ戦で出た課題でもあるフォワード(FW)戦と相手キックへの対応だ。キックを使い、大型FWを軸に試合を組み立てるロシアに対し、どう対処するのか。(陣形が整っていない)アンストラクチャーで強みを発揮できれば、今後の対戦相手に与える印象も変わる。

また、日本のスピードある攻撃を警戒して、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)でプレッシャーをかけてくる。ロシアが得意なスローテンポの展開に持ち込ませず、自分たちのペースで戦うことも必要だ。

これまでのW杯では「勝利」が一つのテーマだったが、今回はベスト8以上という目標がある。(4トライ以上などで得られる)ボーナス勝ち点が重要になるし、勢いをつけるためにも、積み上げてきたものをしっかりと表現してほしい。

選手たちはこの4年間、経験値が増え、自信も手にした。自分たちのやるべきことができれば、おのずと結果はついてくる。(元日本代表、ラグビーW杯日本大会アンバサダー)

アジアの若者 開幕戦に招待…26か国・地域から 組織委普及狙う

 ラグビーW杯日本大会組織委員会が、開幕戦の日本―ロシア戦に、アジア26か国・地域の若者を招待することが19日、分かった。W杯を間近に感じてもらい、アジアでの競技普及につなげるのが狙い。招待されるのは16~20歳の男女約50人で、育成年代のトップレベルの選手たち。開幕戦の観戦に先立ち、19日には日本の大学生によるラグビー教室も開かれた。

国際統括団体ワールドラグビー(WR)や日本ラグビー協会などは、アジア初となるW杯日本大会開催に合わせ、2017年にアジアでのラグビー振興策を制定。20年までにアジア地域の加盟協会に850万ポンド(約11億円)以上を投資することを決めており、その一環として企画された。

◆NZが初戦メンバー発表

史上初のW杯3連覇を目指すニュージーランド(NZ)は19日、グループリーグB組初戦の南アフリカ戦(21日・横浜国際総合競技場)の出場予定メンバーを発表した。スクラムハーフにA・スミス、スタンドオフにモウンガを起用し、2016、17年に国際統括団体ワールドラグビーの年間最優秀選手に選ばれたB・バレットはフルバックで先発する。

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