あの大金星、励みに…南ア戦選手と入場の少年「独走トライ見たい」

20日夜に東京スタジアム(東京都調布市)で開幕するラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で、8強入りを目指す日本代表。前回大会では、初戦の南アフリカ戦の勝利で勢いに乗った。その時、一緒にグラウンドに入場し、歴史的な勝利を見届けたラグビー少年は、「あの感動をもう一度味わいたい」と活躍を祈っている。

2015年9月19日、英国・ブライトン。当時、中学1年だった福岡市の中野真太郎さん(17)は日本で唯一、代表選手と一緒に入場する「マスコットキッズ」に選ばれた。

試合開始前、グラウンド脇で南アフリカ戦の開始を待った。隣には、日本の主将リーチマイケル選手(30)。身長1メートル90の長身を小刻みに動かし、この一戦にかける緊張感と高ぶりが伝わってきた。声はかけられなかった。

一礼して芝のグラウンドに足を踏み入れると、スタンドを埋めた約3万人の観客から、耳をつんざくような歓声が上がった。会場に「君が代」が流れる。互いに肩を組んだ「桜の戦士」と一緒に歌いながら思った。「すごい。いつかこんなところでラグビーがしたい」

試合は観客席で見た。W杯優勝2回を誇る強豪に対し、接戦を繰り広げる日本代表。会場はわき、ジャパンコールも起きた。3点を追う後半ロスタイム、逆転のトライが決まると、興奮のあまり両手で頭を抱えて喜んだ。「選手たちが輝いて見え、日本人であることが誇らしかった」と振り返る。

「日本はすごかった」。スタジアムを出ると、周囲のファンから次々に声をかけられた。敵も味方もなく、誰もが熱戦の余韻に浸っていた。「ラグビーは、人の心をこんなにも揺さぶるのか」と改めて驚いた。

父親に勧められ、小学1年の頃にラグビーを始めた。日本代表の大金星を目の当たりにした4年前の身長は1メートル60近くで細身だったが、体の小さな日本の選手が、大柄な相手に必死に立ち向かう姿に勇気づけられた。

その後、憧れだった日本代表の福岡堅樹選手(27)の出身校、県立福岡高校に進学。2年になった今、身長は1メートル70近くに伸び、攻撃の起点となるスクラムハーフとして「花園」を目指している。

今大会では、福岡市で行われる海外勢の3試合のうち2試合をスタジアムで観戦する予定だ。「日本代表には、決勝トーナメントに進んでもらいたい。福岡選手の独走トライに期待しています」と話している。

◇南アフリカ戦の勝利 当時世界ランキング13位だった日本が、同3位で優勝候補だった南アフリカを34―32で破った。24年ぶりのW杯の勝利は「史上最大の番狂わせ」と言われ、日本国内は一気にわいた。勢いに乗った日本はW杯初の3勝を挙げたが、決勝トーナメントには進めなかった。

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