皇室 深いラグビー愛…各地で観戦 盛り上げに尽力


ボーモント会長(左)らと観戦される秋篠宮ご夫妻(20日)=ロイター

ボーモント会長(左)らと観戦される秋篠宮ご夫妻(20日)=ロイター

秩父宮、寛仁親王 遺志今も

日本の勝利で幕を開けたラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会。20日の開会式で、開会宣言されたのは大会名誉総裁を務める秋篠宮さまだった。皇室はラグビーとゆかりが深く、今大会も、秋篠宮ご夫妻や皇族方が各地で試合を観戦し、盛り上げに一役買われる。


次は釜石へ

 「卓越した技術を発揮し、世界中のファンを大いに魅了していただくことを期待します」。秋篠宮さまは開会式でこのように開会を宣言された。ご夫妻は試合中、国際統括団体ワールドラグビーのボーモント会長の隣に座り、プレーの説明に耳を傾けながら熱心に観戦。トライを決める度に笑顔で拍手を送り、ウェーブの際には両手を挙げるなどして会場を盛り上げられた。25日には、岩手県の釜石
鵜住居(うのすまい)
復興スタジアムでフィジー対ウルグアイ戦を観戦される。


スポーツの宮さま

皇室で最初にラグビーを愛したのは、昭和天皇の弟で「スポーツの宮さま」といわれた秩父宮だった。「一度の見物で僕を魅了した」。1923年(大正12年)5月に大阪で初めてラグビーを観戦した時の興奮を、のちにこう振り返っている。

秩父宮は大学対抗戦などに足を運び、資金難のラグビー界のため奔走した。28年(昭和3年)に関西を電車で移動中、沿線に空き地が多いことに気づき、ラグビー場の建設を提案。これが「ラグビーの聖地」といわれる花園ラグビー場の誕生につながった。

47年に日本ラグビー協会の総裁に就任。53年に亡くなると、遺徳をしのんで東京ラグビー場は「秩父宮ラグビー場」と改名された。


協会名誉総裁

 皇室のラグビー愛を受け継いだのは、秩父宮のおいに当たる三笠宮家の
寛仁(ともひと)
親王。91年に協会の名誉総裁に就き、選手らと親しくされた。神戸製鋼の黄金時代を築いた大西一平さん(55)は90年代前半、日本選手権で優勝した際、寛仁親王から「(大西さんの)背番号8のジャージーが欲しい」と頼まれたことが忘れられない。引退後も行きつけの都内のバーに招かれ、「ただ試合に勝てばいいのではない。政財界とも連携し、ラグビーで社会に貢献しなさい」と助言されたという。大西さんは「日本ラグビーの価値を守っていただいた」と感謝する。

 寛仁親王は2012年に逝去。名誉総裁職は現在、寛仁親王の長女
彬子(あきこ)
さまが務められている。彬子さまも21日、札幌ドームで試合を観戦される。

本場・英国でも、王室とラグビーの絆が強い。協会によると、今大会にはエリザベス女王の長女アン王女がスコットランドの応援のため訪日する予定で、展開次第ではウィリアム王子やヘンリー王子も来日する可能性もある。

協会の担当者は「日本ラグビーの歴史は、皇室の存在なくしては語れない。ワールドカップでは皇室とともに発展してきた日本ラグビーを海外に示せれば」と期待を寄せている。

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