「緑の壁」突き崩せ…きょうアイルランド戦

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会を戦う日本代表は28日午後4時15分から、静岡エコパスタジアムでグループリーグ2戦目のアイルランド戦に臨む。27日は試合会場での前日練習で、芝生の状態やキックオフからの攻撃などを確認した。

強力FW 慢心なし

アイルランド代表は27日、試合会場で調整した。報道陣に公開された15分間ではストレッチ中心で、終始リラックスした表情を見せた。司令塔のセクストンは欠場するが、負傷の影響でスコットランド戦に出場しなかった大型フルバックのカーニーら経験豊富な選手が戦線に復帰した。強力フォワード8人の顔ぶれは初戦から変わらない。

フランカーのオマホニーは「自国のために戦う日本は危険なチーム。100%の力を出さないと勝てない」と気を引き締め、2年前の日本代表戦に出場したセンター、リングローズは「スマートなチーム。当時とは全く違うチームになっている」と警戒する。強豪に慢心は見当たらない。

松島「2トライ」宣言…外に回せばチャンス

アイルランド戦に向け、調整する松島(右)ら日本代表=冨田大介撮影

開幕戦で世界を驚かせた快足ウィング(WTB)は、強豪アイルランドに通用するか。松島(サントリー)は、「(自分のいる)外までボールが回ればチャンスはある」と自信を見せる。

ロシア戦の3トライは、練習中に誓った通り。ジョセフ・ヘッドコーチからはイタリアの高級スポーツカーになぞらえて「フェラーリ」と称賛され、今週もチームメートに「2トライ」を宣言した。

向こう見ずな発言ではない。相手はラックでフォワード(FW)戦が続くと、バックス(BK)陣がラック周辺へ寄る傾向があるという。味方FWが我慢して球をキープできれば、外のスペースを突くことができる。「自分たちのラグビーで崩したい」とFW、BK一体の戦いで有言実行を目指す。

防御でも重要な役割を担う。対面に位置する相手WTBストックデールは1メートル91、103キロと大柄で、1メートル78、88キロの松島が「2~3トンの速いトラック」と警戒するようにパワーとスピードを兼ね備える。「自由にさせないようにしっかり圧力をかける。ハイボールは、球をこぼしても互いにサポートできる位置に立ち、相手に渡さないようにしたい」。リーダー陣の一人へと成長した26歳のトライゲッターは、一丸で戦うことを強調した。(中安真人)

[データで見る]自陣深くへの侵入 許さず

決勝トーナメント進出を目指す日本にとって、最大の関門となるアイルランド。22日の初戦はスコットランドをノートライに抑え、27―3と完勝した。組織防御の堅さに加え、ゴールラインに迫られた際の危機管理力の高さも光った。

データスタジアム社の集計によると、スコットランドがハーフウェーライン(HL)から敵陣22メートルラインの間で攻撃した時間は7分43秒。アイルランドの倍以上あった。ところが、その奥の22メートルライン内の攻撃時間は両チームともほぼ同じ。アイルランドは「危険地域」の手前で厳しい執拗(しつよう)なタックルを繰り返し、4度のターンオーバー(相手ボールを奪って攻守が入れ替わること)を記録。簡単に22メートルライン内へ侵入させなかった。

前半34分、スコットランドはバックスのサインプレーで敵陣22メートルライン付近から攻め込もうとした。しかし、フルバックのホッグが右へパスを放とうとする瞬間に、アイルランドのウィング・ストックデールの強烈なタックルを浴び、ノックオンでボールを失った。

22メートルライン内で、アイルランドの防御はすごみを増す。ラックやスクラムなどの起点より前に出たかどうかを示す「ゲインライン突破率」。地域別に見ると、スコットランドは敵陣22メートルライン内で26.3%と、HLから22メートルラインの間の41.9%に比べて大幅に下がっており、ゴールラインが遠かったことを物語る。スコットランドのタウンゼンド監督が「プレッシャーが強く、エラーにつながった。防御にやられた」と舌を巻いた。

アイルランドの「緑の壁」を打ち破るのは容易ではないが、キック処理でボールを失う場面も目についた。日本はなるべく敵陣で試合を進めたうえで、相手の背後のスペースを突くキックなどで防御網に綻びを作り出し、得点機に結びつけたい。(今井恵太)

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