やんちゃ少年、今は司令塔…強豪戦「もっと楽しみ」

ロシア戦で突進する田村優選手(中央)(20日、東京スタジアムで)=伊藤紘二撮影

ラグビー・ワールドカップ(W杯)の日本代表は28日午後、静岡エコパスタジアムで強豪・アイルランドに挑む。キーマンは、サッカー仕込みのキックで得点を狙う田村優選手(30)。やんちゃだった少年時代をへて成長し、ジャパンの司令塔としてピッチに立つ。

「死ぬほど緊張した」。20日の開幕戦では約40メートルのペナルティーゴールを決めたが、珍しくキックをミスする場面も。試合後、この数日間は眠れなかったと明かした。

愛知県岡崎市出身。近所の子が遊んでいるのを見て、1歳で自転車にまたがった。転んでも転んでもあきらめず、2歳になる頃には補助輪なしで乗りこなした。

運動神経は良いが、口が達者でケンカも多い。小学生の頃、母の真奈美さん(59)が、いつでも相手に謝りに行けるよう買いためた菓子折りは、賞味期限が近づくと、おやつになった。

イングランド代表だったデービッド・ベッカム選手に憧れ、小中学校ではサッカーにのめりこんだ。練習で疲れ果て、庭の犬小屋で眠り込むこともあった。

トヨタ自動車の中心選手だった父の誠さん(57)の後を追うように、ラグビーを始めたのは高校に進学してから。父の同級生が監督を務める国学院栃木高(栃木県)で、寮生活をしながら楕円(だえん)球を追った。

本格的にラグビーをするのは初めてだったが、負けず嫌いは子供の頃から変わらなかった。パスやタックルなど基礎練習に励み、居残りでキックを繰り返す。めきめき上達して主将になったが、練習で後輩を小突いて交代。直後、真奈美さんの元には涙声で、過ちを悔いる電話があったという。

明治大では、正確なキックと視野の広さで1年からレギュラーをつかんだ。3年から指導した元監督の吉田義人さん(50)は、「当初は気分によってプレーにむらがあったが、徐々に自分をコントロールし、周囲から尊敬される絶対的なリーダーになった」と話した。

今大会では、リーチマイケル主将(30)とともにチームを引っ張る。開幕戦を勝利で飾り、「これで緊張から解き放たれた。次の試合はもっと楽しみ」と勝ち気な一面が戻ってきた。

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