[大野均の目]日本、スクラム互角…アイルランド戦

ただただ、感動している。日本代表が完全に世界の強豪の仲間入りをしたことを証明した勝利だった。

スクラムとラインアウトが安定していたことが勝因の一つだ。世界屈指の強さを誇るアイルランドのスクラムに対し、互角に渡り合った。前半には、相手ボールのスクラムで押し込み、反則を誘う場面もあった。8人が一体となる日本のスクラムは、選手たちが長谷川慎コーチの指導に忠実に従い、厳しいトレーニングを積んできたからこそ、できあがったものだ。

スクラムで相手を押せると、組んでいるフォワードだけでなく、バックスも含めてチーム全体を勇気づけることができる。スクラムで押される心配がなくなれば、試合運びにも影響する。つまり、司令塔の田村のプレーの選択肢を広げることにつながる。

アイルランドは本来は規律のあるチームだが、この試合では何度も反則を犯した。日本の防御でプレッシャーを感じていたからこそ、反則ぎりぎりのグレーなプレーをしないと対抗できないと感じたのだろう。そこからも日本の強さがわかる。

世界中から優勝候補と見られているアイルランドに、油断はなかった。ただ、日本が4点リードした後半20分過ぎ、日本の自陣深くでのラインアウトでは、得意のモールを組まず、サインプレーを使ってトライを狙ってきた。少しでも速くボールを前に進めたいという思いが見て取れ、アイルランドの焦りを感じた。

前回W杯で南アフリカを破った以上に、日本ラグビーの歴史が大きく変わった試合だと言っていい。初の8強に向け前進したとはいえ、次のサモアも簡単に勝てる相手ではない。最後に対戦するスコットランドは強敵だが、まずはサモア戦に向けてしっかり準備してほしい。(東芝選手、日本代表最多キャップ保持者)

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