快足ウィング 突き抜けた…福岡へ鮮やかに展開、歴史的勝利導く

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は28日、グループリーグA組の日本代表が前回大会の南アフリカ戦に続く歴史的金星を挙げた。過去9度の対戦で全敗だった優勝候補のアイルランドを19―12で破った。前半に2トライを許したが、田村が3本のペナルティーゴール(PG)を成功させるなど、粘り強い戦いで接戦に持ち込んだ。後半18分に福岡がトライを奪って逆転し、アイルランドを振り切った。C組では、アルゼンチンがトンガに快勝。B組の南アフリカはナミビアから9トライを奪って大勝した。

負傷押して 急きょ出場

後半18分、鋭く走り込んでトライを決める福岡=浦上太介撮影

日本の逆転トライを奪ったのは、手負いのエースだった。9―12の後半18分、マイボールスクラムから中村が前進。ラックから田中、中村、ラファエレとつなぎ、最後は福岡が相手インゴール左に走り込んだ。2度目の出場でW杯初トライを奪った。「ラファエレが球をもらった時点でパスをくれると分かっていた。信頼して走り抜けるだけだった」と味方に感謝した。

急な出番だった。W杯へ向けた今月6日の強化試合の南アフリカ戦で開始早々に右ふくらはぎを痛めた。ロシア戦を欠場し、10月5日のサモア戦で復帰する予定だった。しかし、左ウィング(WTB)で出場するはずだったトゥポウ(コカ・コーラ)が前日練習で負傷。試合直前に控えに入ることが発表された。

来年の東京五輪の7人制が終わった後に現役を退き、医師を目指すことを公言している。「(現役が)終わったときにここまでやったと胸が張れるようなプレーをしたい。一瞬一瞬を大切にしたい」といい、父の綱二郎さんには、「自分で退路を断つため、あえて医師を目指すと言っている」と決意を語ったという。

試合終了間際に自陣10メートルライン付近でパスをカットして独走したが、相手ゴールライン手前で相手につかまった。「(2トライ目を)取っていたら最高だったと思うが、流れを変える最低限の仕事はできた。まだ先はある。最高のトライを少しでも増やしたい」。脚の状態は万全と言えない中でも、歴史的勝利に貢献した。日本が誇る快足ウィングはチームのためにさらに前進する覚悟だ。(矢萩雅人)

ジョセフ・ヘッドコーチ「自分たちは信念を貫いた。勇気あるプレーで、激しい攻撃を防ぐことができた。彼らを誇りに思う。きょうはビールを飲んで、次戦のことを考えたい」

中村「相手の攻撃は思った通りだった。(防御の部分で)いいプレッシャーをかけられたと思う。次に向けて自信になった」

「相手は前半30分ぐらいからかなりしんどそうだった。次勝たないと、この勝利の価値は上がらない。すぐに準備に取りかかりたい」

トンプソン「今はめっちゃうれしい。だけど、ベスト8が目標だから、まだ終わってない。明日からは次のサモア戦に集中する」

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