サモア 助け合いの楽園…現地派遣の教員「もっと知って」

松川さんが教えていたサモアの高校生のラグビーチーム=松川さん提供

ラグビー・ワールドカップ(W杯)で5日の日本対サモア戦を特別な思いで待ち望んでいる2人の教員がいる。ともに青年海外協力隊で現地に派遣され、「ラグビーを通じてサモアを知ってもらいたい」と願っている。

「ちょっとした時間と空き地があれば大人も子供もボールを追いかけながらパスやタックルをしている。鬼ごっこみたいな感覚でした」

そう振り返るのは、愛知県立豊橋南高校教諭の松川博明さん(28)。今年3月まで1年8か月間、協力隊員として現地で高校生に物理と化学を教えていた。休み時間や放課後に空き地で教え子たちがラグビーに興じているのを見ていると、誘われて一緒に楕円(だえん)球を追いかけた。

「サモアの人たちはフレンドリーで、助け合い、分かち合うという文化が根付いている」という。

三重県四日市市立西笹川中学校教諭の池山典行さん(42)は2006年6月から08年3月まで技術科教師として派遣されていた。予算不足のため、5人で1冊の教科書を共有していた。生徒たちと拾い集めた木材で作った椅子を販売し、教材費の捻出もした。

貧しくても、ラグビーを楽しむサモアの人たちは生き生きして見えた。「ココヤシの実や丸めたテープをボール代わりにして走り回っていた」。池山さんもよく誘われて草ラグビーに加わった。「サモアの生活にラグビーは欠かせないものと感じた」という。

2人が日本の人に注目してもらいたいと口をそろえるのは、サモアチームがキックオフ直前に披露する儀式「シバタウ」。ウォー・クライと呼ばれる試合前の儀式は、ニュージーランド代表オールブラックスが披露する「ハカ」がよく知られているが、サモアの「シバタウ」は、足を開いて腰を落とし、両腕を左右に振り、太ももをたたいて自らを鼓舞するのが特徴だ。

池山さんは「最後まで逃げずにぶつかっていく迫力がサモアのラグビーの魅力」と語り、松川さんは「どちらのチームも応援している。W杯がお互いの文化の理解を深めるきっかけになってほしい」と日本戦を楽しみにしている。

<サモア>オーストラリア東方の南太平洋にある島国。サモア諸島東側の米領サモアに対し、西サモアの名称だったが、1997年に現国名に変更した。正式名称はサモア独立国。東京都の約1.3倍の面積に約20万人が住み、ポリネシア系のサモア人が9割を占める。首都はアピア。

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