「つかまれにくい」ジャージー開発の職人「選手とともに進化」

 代表ジャージーを前に笑顔を見せる沼田さん(富山県小矢部市で)
代表ジャージーを前に笑顔を見せる沼田さん(富山県小矢部市で)

W杯日本大会で、日本代表の快進撃を後押ししているのが伝統の「桜ジャージー」だ。開発を中心で支えてきたのは富山県小矢部市の沼田喜四司さん(71)。「現代の名工」に選ばれた技術を駆使し、「動きやすさ」と「つかまれにくさ」を追求した。「選手のいいプレーにつながれば」とさらなる勝利を願っている。

沼田さんはスポーツ用品開発を手掛ける「ゴールドウインテクニカルセンター」(小矢部市)の技術主席。2003年大会から5大会連続でジャージーの製作に携わり、型紙作りを担当してきた。スキーウェアや国際宇宙ステーションの船内用下着を開発したこともある。06年には「現代の名工」に選ばれた。

ジャージーは親会社の「ゴールドウイン」(本社・東京)などと開発。3Dスキャナーで選手の体形を測定すると同時に、体の動きをコンピューターで分析する技術も活用した。沼田さんは選手の体形に合わせ、生地を約100のパーツに分けて型紙を作成。試作品ができるたび、試着した選手の動きを観察し、「微妙なだぶつきを抑えるようミリ単位で調整した」と語る。

動きやすさを追求し、ポジションの特性に合わせた3種類を設計した。生地や編み方も工夫し、フォワード用はスクラムを組む際に味方と引っ張り合っても破れにくく、バックス用は滑りやすい生地で相手選手につかまれにくいジャージーとした。

大金星となったアイルランド戦では、バックスの福岡堅樹(けんき)選手(27)が相手選手につかまれず、逆転トライを奪った。テレビで見ていた沼田さんは「思わず『よし!』とはしゃいでしまった」と喜んだ。

5日夜には豊田スタジアムで、サモア戦を観戦する。「選手とともにジャージーも進化してきた。前回、逃した8強入りをなんとしても成し遂げてほしい」と話している。

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