攻撃の起点・流、信頼厚く「つらいこと全部俺に言え」


日本-アイルランド戦でプレーする流選手(9月28日、静岡県袋井市のエコパスタジアムで)=伊藤紘二撮影

日本-アイルランド戦でプレーする流選手(9月28日、静岡県袋井市のエコパスタジアムで)=伊藤紘二撮影

ラグビー・ワールドカップ(W杯)で5日夜、愛知県の豊田スタジアムでサモア代表と対戦する日本代表。攻撃の起点・スクラムハーフを務めるのは身長1メートル66、体重71キロの
流大(ながれゆたか)
選手(27)だ。高校、大学、社会人と主将を歴任したリーダーシップでチームを引っ張る。

スクラムからの素早い球出し、相手守備の裏を突くキック――。W杯では得意なプレーのみならず、円陣で仲間に指示を与え、鼓舞する姿が目立っている。

福岡県久留米市出身で、3人兄弟の末っ子。次男の大輔さん(30)は「目がくりくりして女の子に間違われることもあったが、遊びもゲームも勝たないと気が済まない弟だった」と笑う。

生活がラグビー一色になったのは、熊本県の荒尾高(現・
岱志(たいし)
高)時代から。午前5時半に家を出て、筋力トレーニング後に朝練に参加し、授業が終わるとすぐにグラウンドに飛び出した。仲間であっても、ふがいないプレーには怒りをあらわにするが、練習道具の準備やごみ拾いなどを率先し、周囲から頼りにされた。

進学先の帝京大では、2014年度に全国大学選手権6連覇を果たしたチームの主将を務めた。


帝京大時代の流選手(左端)と平尾さん(右から2人目)(平尾さん提供)

帝京大時代の流選手(左端)と平尾さん(右から2人目)(平尾さん提供)

同学年のチームメート、平尾幸也さん(26)(現・JR九州)が脚を故障し、皆の前で涙を流した時にはLINEでメッセージを送った。「つらいことがあれば全部俺に言えよ。お前の分まで頑張るから」

その後、手術を終えた平尾さんが試合に復帰すると、流選手は自分のことのように喜んだ。平尾さんは「あのメッセージがあったからリハビリをがんばれた。大のおかげで今の僕がある」と感謝している。

プレーへの厳しさと仲間への温かさを併せ持つリーダーは、日本代表でも信頼が厚い。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49)は「チームに自信を与えられる選手」と高く評価する。

強豪・アイルランドを破って大金星を得た先月28日の試合直後、「日本中を盛り上げられたが、次の試合に勝たないとこの勝利の価値は上がらない」と気を引き締めた。3連勝、そして初の決勝トーナメント進出に向け、ゆるみはない。

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