サモアと津波被害で交流~いわき市民、両チームに声援

ラグビー・ワールドカップ(W杯)サモア代表の事前キャンプ地・福島県いわき市では、大型商業施設でパブリックビューイング(PV)が開かれた。同市とサモアは津波被害を受けた被災地として交流を深めており、約500人が両チームに声援を送った。

会場では両国旗を掲揚し、君が代だけでなく、事前に配布された歌詞カードを見ながら、サモア国歌を斉唱。試合が始まると「頑張れ日本」「頑張れサモア」の掛け声が飛んだ。

サモア代表が開いたラグビー教室に参加した小学4年の男児(10)は「『タックルは気持ちを込めて』と教わった。サモアも日本も精いっぱい応援する」と目を輝かせた。

2009年の大地震による津波被害で100人以上が死亡したサモアと、11年に東日本大震災で津波に襲われたいわき市。互いに地元の高校生を派遣し、津波の被災地を見学している。

市内の温泉施設「スパリゾートハワイアンズ」ではサモア伝統の「ファイヤーナイフダンス」のショーを披露しており、16年には同施設にサモアの名誉領事館が設けられた。

9月24日に埼玉県で行われたサモア―ロシア戦には市民約50人がツアーを組んで応援に駆けつけた。来年の東京五輪・パラリンピックでもホストタウンとしてサモアを支援する予定だ。

同施設を運営する常磐興産の社長で、サモア名誉領事の井上直美さん(68)は、「同じように被災したサモアの人は日本を理解してくれている。W杯でさらに絆を深めたい」と話している。

サモア代表は「国民のヒーロー」…普段は陽気 試合で勇猛

サモア代表に同行し、日本での世話役(リエゾン)を務めるのは、約2年間、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として現地で活動した土屋雅人さん(30)だ。

土屋さんによると、サモアの主食はタロイモなどで、ごちそうは豚の丸焼き。日本産の「しょうゆ」がスーパーなどに並び、刺し身を食べる習慣がある。

来日した代表チームはホテルで食事をするが、足りずにラーメン屋や回転すし店に繰り出すことも多い。覚えたての日本語で「ごちそうさま」と言うなど、店員とも積極的に言葉を交わしている。

サモアで一番人気のあるスポーツはラグビーで、W杯には1991年大会から出場し、2度、8強入りしている。前回大会でサモア代表を5―26で破った日本代表にも、国民の多くは尊敬の念を抱いているという。

土屋さんは「普段は陽気な選手たちが、試合では一変して勇猛になる。彼らは国民のヒーローで、母国からの大きな声援に後押しされて戦っている」と話す。

関連ニュース

<<
ニュース一覧へ戻る
>>