ジャパンの劇的「ボーナス1点」、スコットランドに重圧ずしり

ラグビーワールドカップ日本大会で日本がサモア戦(5日)で得たボーナス勝ち点の1点が、日本のグループリーグ最終戦の相手・スコットランドに重くのしかかっている。あの1点によって、現在1勝1敗のスコットランドは、日本と戦う前の3試合目でロシアから4トライ以上を奪って勝ち点5を取らなければ、決勝トーナメント進出が危なくなる立場に追い込まれた。注目のスコットランド―ロシアは、9日午後4時15分から静岡エコパスタジアムで行われる。

トライ量産、ロシア戦にノルマ

相手防御を突破するスコットランドのレイドロー(1日のサモア戦で)。ロシア戦には出場しない見込みだ

スコットランドのタウンゼンド監督は、7日の記者会見で、こう語った。「ロシア戦は勝ち点のボーナス点が大事になる。日本戦でボーナス点を取るのは、さらに難しいからだ」。4本以上のトライ量産を、ロシア戦のノルマに掲げた。

そう言いつつも、指揮官は先発メンバーに、控えだった選手ばかりを並べた。34―0で大勝したサモア戦(9月30日)の先発14人を入れ替え、フッカーで主将のマキナリー、スクラムハーフのレイドロー、フルバックのホッグといった中心選手をベンチにも入れなかった。ロシア戦から中3日の13日に行われる日本戦に備え、主力を温存して「控え組」の奮起に期待するしかないと判断したとみられる。

現時点での勝ち点は、日本が14(残り1試合)でスコットランドが5(残り2試合)と、9点の差がある。スコットランドが追いつくには、ロシアと日本に連勝して勝ち点8を得たうえで、少なくともどちらかの試合でボーナス勝ち点1を獲得しなければならない。勝ち点で並んだ場合、両チームの順位は直接対決で勝った方が上になるため、グループリーグを突破するのはスコットランドとなる。しかし、ロシア戦で勝ち点4しか取れなければ、開催国の日本から4トライ以上を奪ったうえでの勝利を収めて勝ち点5を取ることが必要になる。

仮に、日本がサモア戦でボーナス勝ち点を獲得できていなかったら、スコットランドは現状よりもだいぶ楽な立場だった。ロシアと日本に勝ち点4で連勝すれば日本に追いつくことが可能で、ロシア戦でトライを量産しなければならないプレッシャーはかかっていなかった。日本のエース松島幸太朗がサモア戦のラストワンプレーで劇的に決めたトライで手にしたボーナス勝ち点の意味は、ここにある。

控え組には簡単じゃない~サンウルブズHCが指摘

今大会開幕戦で、最初にトライを決めたのは日本ではなく、ロシアの選手だった(9月20日)

読売新聞オンラインで今大会を解説する元日本代表の大久保直弥さん(サンウルブズヘッドコーチ)は「勝ち点0のグループ最下位とはいえ、ロシアもW杯出場チーム。『4トライ以上の勝利』を控え主体のメンバー編成でつかむのは、強豪スコットランドにとっても簡単ではない。タウンゼンド監督のシナリオ通りに進むかどうか。最初からトライ量産を狙って試合に臨めば、自分たちのラグビーを見失うリスクもある」と指摘する。

スコットランドの控え組はトライを量産できるのか、実力的には格下でも体格では遜色ないロシアが意地を見せるのか。なお、ロシアが勝ったり引き分けたりする「番狂わせ」があれば、その時点で日本のグループリーグ突破、つまり8強による決勝トーナメントへの初めての進出が決まる。

スコットランドがロシアに勝って望みをつないだ場合も、日本はスコットランド戦で勝つか引き分ければ8強進出となる。負けても、7点差以内の惜敗や4トライ以上を奪ってボーナス勝ち点を獲得するなどすればグループリーグを突破できるケースがある。

劇的だったサモア戦での松島のトライ(10月5日)

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