8強へ最後の関門…レイドロー軸 自在展開、田村のキック 裏を突け

サモア戦で突進するスコットランドのレイドロー(右)

サモア戦で突進するスコットランドのレイドロー(右)

サモア戦の試合終了間際、トライを決める松島(左下)と駆け寄る福岡

サモア戦の試合終了間際、トライを決める松島(左下)と駆け寄る福岡

スコットランドはフォワード(FW)を前面に出すスタイルからの転換を図り、グラウンドを広く使って素早く球を動かすラグビーを志向する。バックス(BK)には才能豊かな選手が並び、FWが機動力に優れるところも日本と似ている。日本は前回大会で完敗を喫し、4年間の成長を示すには格好の相手だ。目標に掲げる8強入りに向けて、難敵に雪辱を果たすことができるか。

スコットランドは伝統的に、強力なFWを中心とする手堅い戦いぶりを特徴としてきた。しかし、近年は展開力に磨きをかけている。タウンゼンド監督が掲げるキーワードは「スピード」。日本と同様に、速いテンポで球を動かす攻撃的なラグビーを得意とする。

攻撃の組み立て役となるラッセル

攻撃の組み立て役となるラッセル

その鍵を握るのが前回大会でも日本を苦しめたスクラムハーフのレイドロー、欧州屈指のスタンドオフと評されるラッセルのハーフ団だ。9月30日のサモア戦では、湿気や汗で球が手につかないのを見て、「2人で話し合って変えた」とキックを活用する戦術に変更。前に出てくる相手の防御を逆手にとり、ラッセルがキックパスで最初のトライを生み出すと、それを伏線にして自ら突破し、最後はレイドローのトライにつながった。

前回W杯の日本戦では、BK陣がトライを量産した。戦況に応じて巧みに攻撃を操るハーフ団に自由を与えれば、2016、17年に欧州6か国対抗の最優秀選手に輝いたフルバックのホッグら決定力の高いランナーが生きてくる。

FWの働きも見逃せない。2メートル前後の大男も多く、主力中心で臨んだサモア戦ではスクラム、ラインアウトとも成功率100%だった。日本の気候に順応するため、練習後に熱めの風呂やサウナに入るトレーニングに取り組むなど暑さ対策も立ててきた。初戦のアイルランドには力勝負で屈したものの、サモアとロシアは無得点に封じた。試合終盤でも足が止まらず、ボール争奪戦も強さを発揮する。

4年前の日本戦でペナルティーゴールとゴールキックを4本ずつ決めて計20点を稼いだレイドローの正確な右足も健在だ。日本としては当時の反省を生かし、自陣で無駄な反則を犯さないように注意を払いたい。

田村のキックが大きな武器

田村のキックが大きな武器

4年前の前回大会から日本代表が大きく成長した点が戦術の「深み」だ。体格差を埋めるために球を持ち続けて相手を疲れさせる戦術に加え、攻撃が手詰まりになると司令塔の田村らが相手防御裏のスペースへキックを蹴り込み、好機を作り出す。松島や福岡らのトライゲッターが大外で待ち構え、チャンスをうかがう。

スクラムの安定も見逃せない。スパイクのポイントを芝生にかける本数から、フランカーが目の前にいるプロップに体を押しつける角度まで、細かい点を突き詰めて精度を上げてきた。防御では大柄な相手に当たり負けしないため、2人がかりでタックルする「ダブルタックル」や防御ラインを積極的に上げて相手にぶつかる方法が奏功している。(財津翔、中安真人)

グループリーグ突破の条件

A組の勝ち点は、日本が14、アイルランドが11、スコットランドが10。日本は13日のスコットランド戦で勝つか引き分け、負けてもボーナス点を2点取れば1位突破が確定する。しかし、日本がスコットランド戦でボーナス点を得られずに敗れ、アイルランドが12日にサモアに勝っていれば日本は3位で敗退する。

日本がボーナス点1点だけで敗れた場合、スコットランドが4トライ未満なら突破。ただスコットランドが4トライ以上を挙げ、アイルランドがサモアから4トライ以上で勝っていれば日本は3位に転落。3チームの勝ち点が並ぶと、得失点差などの争いとなる。アイルランドがサモアに敗れると、日本は最終戦を待たずに2位以上が決まる。

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