賑わうファンゾーン~自治体やスポンサーも売り込み

パブリックビューイングで観戦する人たち

ビール片手に大型スクリーンで応援

日本代表の活躍で盛り上がるラグビー・ワールドカップ(W杯)。全国に12ある開催都市では、自治体が設置した「ファンゾーン」で、パブリックビューイング(PV)を見ながら地元の特産品を食べたり、試合会場と同じように公式ビールを飲んだりすることができる。ラグビーW杯も残すところ20日余り。まだ行ったことがない方は、試合がある日にファンゾーンに足を運んでみてはいかがだろうか。

日本―サモア戦(豊田スタジアム)が行われた10月5日、愛知県豊田市内は多くのファンで埋まり、街はラグビー一色に染まった。試合会場近くのファンゾーンには、正午の開場前に約570人が行列を作った。一番乗りは、午前7時から並んだという同県春日井市の男性で、「お祭りと一緒で、みんなでワアワア言いながら見るのを楽しみに来た」という。会場を歩くと、ラグビーボールを使ったゲーム大会もあれば、サモアなどで踊られるタヒチアンダンスなどのステージもあった。

この日は、日本―サモア戦のほか、他会場で行われたオーストラリア―ウルグアイ戦、イングランド―アルゼンチン戦のPVも行われたため、ファンゾーンは終日にぎわった。午後3時過ぎには一時、入場が規制されたほどだ。この日の来場者数は1万人を超えた。

ステージで披露されたタヒチアンダンス

県外客に売り込む地元 地元に売り込む外資系スポンサー

ファンゾーンは、試合のチケットを持っていないファンにもサービスを提供するという一面に加え、県外客に対する地元自治体の売り込みやスポンサー企業によるマーケティングの場という側面もある。自治体は地元産品を販売するほか、グルメガイドの配布なども行っていた。訪れたファンによる経済効果を狙っているのだ。

一方、公式スポンサーは外資系企業も多く、地元の住民もターゲットにしている。ファンゾーン内には、公式スポンサー「ジャガー・ランドローバー」(イギリス)の自動車が展示され、スポーツ愛好家に対し大きなクルマの良さをアピールしていた。

スタンドでハイネケンのビールを売るスタッフ

同じく公式スポンサーの「ハイネケン」(オランダ)のビール販売も行われていた。販売主であるハイネケンとキリンビールの合弁会社「ハイネケン・キリン」(本社・東京)は「W杯を通じて、日本の飲食店、消費者にハイネケンブランドを売り込みたい」と意気込む。営業が手薄だった地方都市への販路拡大とブランドネームの浸透を図ろうとしている。

確かに、試合会場に向かう沿道の飲食店のうち、キリンビールを扱っている店では、かなりの店がハイネケンのポスターを掲げ、同社ビールを販売していた。

ハイネケンのビールを片手にファンゾーンを巡るうちに考えた。このW杯の盛り上がりを喜んでいるのは、ファンだけでない。もしかしたら、開催自治体やスポンサーの方かも知れないと。(読売新聞 松崎恵三)

観客が並ぶハイネケンの売店(横浜国際総合競技場で)

ファンゾーンの場所や営業時間などの情報は、公式サイトで。

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