福岡、4年前の雪辱…技あり2トライ

 後半2分、自身2本目のトライを決める福岡

後半2分、自身2本目のトライを決める福岡

福岡は軽やかにグラウンドを駆けた。前半39分、味方からのキックパスを相手陣でトップスピードに乗って右手でつかむ。背後から手を伸ばすスコットランドの選手にも、前に立ちはだかろうとする選手にも、指一本触れさせない。一瞬で駆け抜けてチーム3トライ目を奪うと、後半2分には味方のタックルで動きの止まった相手の腕から強引に球を奪い、約50メートルを独走しインゴールへ飛び込んだ。

触れられずに抜くプレーを、福岡はラグビーの醍醐(だいご)味と語る。1本目がまさにそれだ。だが、球を奪う「ジャッカル」が起点となった2トライ目は、磨いた努力が生んだ。「ただ走ってトライを取る選手にはなりたくなかった。みんなが体を張ってくれる中で貢献できる所を探していた」

得意のジャッカルを立っている相手からもできるように合宿で練習を重ねてきた。スコットランド戦だけの出場に終わった前回大会から4年。「当時と同じなら意味がない」と臨んだ舞台で、持ち味を存分に見せた。

堅樹(けんき)という名前は仏典にある「高堅樹・好堅樹」という想像上の樹木から名付けられた。100年間地中にあり、1日で地上に出て高さ100丈(約300メートル)まで伸びるという。高校時代の大けが、前回大会の屈辱。幾多の苦難を乗り越え大舞台で大輪の花を咲かせた。

試合後、抱き合って喜び合う仲間の傍らで一人、芝の上に突っ伏した。「歴史を変えられた」。集大成と位置づける今大会、スピードスターがまばゆい輝きを放った。(中安真人)

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