[大野均の目]冷静スクラム ミス誘う

スコットランド戦でスクラムを組む稲垣(中央)ら日本のFW陣(10月13日)

日本がラグビー・ワールドカップ(W杯)で初の8強入りを果たし、ついにここまで来たかという思いだ。この4年間、スーパーラグビーにサンウルブズが参戦し、前回W杯の8強全てとテストマッチ(国・地域代表チーム同士の国際試合)を戦った。客観的に見ても世界と戦える力はつけていたし、それが結実した。

スコットランド戦は前半、スクラムの要であるプロップの具智元(ホンダ)が負傷し、バル(パナソニック)が交代で入った直後のスクラムで相手の反則を誘った。誰が組んでも、同じ動きを意識し、実行できるのが強みだ。様々なチェックポイントがあり、組む前からチームとしてやるべきことがわかっている。相手が上体を起こそうとしてきても、低い体勢をキープすることができる。

スコットランドはエンジン全開だった。早めに点差をつけて優位に試合を進めようと思ったはずだが、狙い通りにならず、スクラムでもフラストレーションをためている場面が見られた。セットプレーで精神的プレッシャーを受けると、他のプレーにも影響する。日本も世界で勝てなかった時代は、セットプレーでパニックになってミスを続け、相手にチャンスを与えてしまうことが多かった。今の日本は、ミスがあっても大崩れすることがない。落ち着いた試合運びができている。

スクラムの最終的な目標は、押したり、反則を誘発させたりして、相手ボールを奪うことだ。南アフリカが相手でも、スクラムでプレッシャーを与えることができるだろう。そして、アイルランド戦のようにペナルティーゴールで食らいつき、日本の武器である持久力、機動力を生かしたい。ぜひ4年前の再現を見せてほしい。(東芝選手、日本代表最多キャップ保持者)

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