[データで見る]南アの天空キック、要注意の高精度…今夜いよいよW杯準々決勝

日本が準々決勝で対戦する南アフリカは、体格を生かした攻守の力強さが際立つ。その特長を引き出しているのがスクラムハーフ(SH)のキックだ。密集から直接蹴ることで、大型フォワード(FW)の強烈な推進力を生んでいる。

グループリーグ(GL)B組で激突したニュージーランド(NZ)戦で、いきなり「らしさ」を発揮した。開始直後、ラックの球を拾い上げたSHデクラークが、左足で高々と蹴り上げる。NZ選手がキャッチしたが、ウィングのコルビと激しく競り合って体勢を崩した。南アはFW陣がなだれ込んで反則を誘い、ペナルティーゴールで先制点を挙げた。

データスタジアム社の集計によると、この試合でデクラークが密集からパスをせずに上げたキックは12本。正確なキックは相手と競り合いながら球を再び確保できる確率が高く、キャッチされても意思統一された防御で奪い返すことができる。12本中9本は自陣から蹴っており、地域を挽回し、停滞を打破したい時に使っていることがうかがえる。南アは13―23で敗れたが、やはり9本を占めたデクラークのハイパントは精度が高く、何度も球を再獲得した。

キックで前進して生きてくるのが、FWのセットプレーだ。GL4試合で47回あったラインアウトの成功率は驚異の100%。ラインアウトを起点に挙げたトライは12本あり、全トライ数の44%に上った。

日本は開幕前の9月6日に南アと強化試合を行い、デクラークのキックに苦しめられた。南アのエラスムス監督は「同じプランになることはない」とけむに巻くが、GLでもNZ戦以外の3試合でSHのキック数は相手を上回っており、有力な攻撃パターンの一つであることは確かだ。大男たちの攻防の激しさに目を奪われがちだが、1メートル72の小兵が繰り出すキックにも注意したい。(今井恵太)

関連ニュース

<<
ニュース一覧へ戻る
>>