NZ 破格4強…若き両ウィング 躍動


前半13分、自身1本目のトライを決め喜ぶA・スミス=西孝高撮影

前半13分、自身1本目のトライを決め喜ぶA・スミス=西孝高撮影

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は19日、8強による決勝トーナメントが始まり、3連覇を狙うニュージーランド(NZ)が、大会開幕時に世界ランキング1位だったアイルランドに快勝した。2003年大会優勝のイングランドは豪州を退け、3大会ぶりに4強へ進んだ。NZとイングランドは、26日の準決勝(横浜)で対戦する。

ニュージーランド(NZ)のプレーには序盤から鬼気迫るものがあった。「生きるか死ぬかのトーナメントだ。いいプレーができなければ、国に帰らなければならない」とB・バレット。トライを奪うチャンスとなれば、あっという間に密集へ選手が集まった。

10点リードの前半19分だ。右サイドでのNZボールのスクラムから素早く球を出すと、リース、ブリッジらが絡む攻めで相手防御を突破。一気に相手ゴール前へ迫ると、次々と味方が駆け寄り、最後はA・スミスがインゴールで押さえた。

他チームの場合、1人が抜け出しても味方のフォローが遅く、孤立してしまうことがある。オールブラックスにはそれがない。だから、好機が得点に結びつく。

アイルランドには昨年11月の対戦でノートライに抑えられ、9―16で敗れていた。22歳のリースや24歳のブリッジは出場しておらず、リースは「1年前、ここにいることは想像していなかった」。今年になって台頭した若い両ウィングが勢いをもたらし、経験豊富なA・スミスら周囲が支えた。

アイルランドファンの声援が多かったスタジアムで、圧倒的な勝利を見せつけた。「正しい試合運びをすれば、観客もコントロールできる。(相手ファンの)歌声も途中で止まった」。3連覇に向けて前進し、歴戦のハンセン監督も満足そうだった。(帯津智昭)

アイルランド「静かに涙」

アイルランド主将のベストは「ロッカールームは全く音がしないほど静かで、大男たちが涙を流していた」と悲しげに語った。世界ランキング1位で開幕を迎え、過去最強の呼び声も高かった優勝候補が、NZにたたきのめされた。

王者の実力は想像以上だった。個の強さと組織力を兼ね備えた防御に押し込まれ、前進すらままならない。前半31分、連続攻撃を強烈なタックルで寸断され、こぼれ球を一気にインゴールまで運ばれた。80分間、試合を支配される苦しい展開。シュミット監督は「呼吸もできないくらいだった」と完敗を認めるしかなかった。

前回大会後の2016年に初めてNZから白星を挙げ、その後も1勝1敗と渡り合ってきた。今大会を最後にシュミット監督が退任し、長年チームを引っ張ってきたベストが現役を引退する。集大成として挑んだ今大会。過去6度はね返された準決勝への壁を、またしても乗り越えられなかった。(今井恵太)


勝敗決定方法
前後半計80分で同点の場合は、20分(10分ハーフ)の延長戦を実施。決着がつかない場合は最大10分間の再延長に入り、どちらかのチームに得点が入った場合に終了するサドンデス方式で行われる。それでも決着しない場合は、両チーム5人ずつがキックを蹴って成功数を争う「キッキングコンペティション」を実施する。

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