「下町ロケット2」モデルの会社、強靱な桜ジャージーの生地開発


自社の生地が使われた桜のジャージーを持つ高木社長(福井市で)

自社の生地が使われた桜のジャージーを持つ高木社長(福井市で)

日本―アイルランド戦でスクラムを組む両チーム。スクラム戦での強さが、日本代表の快進撃を支える(9月28日)

日本―アイルランド戦でスクラムを組む両チーム。スクラム戦での強さが、日本代表の快進撃を支える(9月28日)

熱戦が続くラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で、日本代表は20日、史上初となる決勝トーナメントに臨む。これまで力強いスクラムや果敢なタックルでチームを支えてきたフォワード(FW)の選手たちが身につけるジャージーには、福井市のニット生地メーカー「福井
経編(たてあみ)
興業」が開発した生地が使われている。高木義秀社長(66)は「自分たちが関わったジャージーを身にまとう選手たちの活躍はうれしい限り。南アフリカ戦でも勝利を」と声援を送る。(有留貴博)

今大会の日本代表のジャージーは、FWとバックス(BK)で、異なる生地を用いて作られている。

1999年大会から日本代表のジャージーを提供する「カンタベリーオブニュージーランドジャパン」(東京)によると、前回(2015年)大会までは伸縮性に優れた「丸編」を使っていたが、相手選手とのぶつかり合いが多いFWの選手への聞き取りなどを行い、耐久性の高い「経編」に着目。17年秋に福井経編興業に依頼し、共同開発を行ったという。

同社は、心臓弁開発に奮闘する町工場を描いた池井戸潤さんの小説「下町ロケット2 ガウディ計画」のモデルになったことでも知られ、糸をループ状に縦方向に連続させて編み、衣料品用や自動車シートのニット生地を生産する技術に定評がある。依頼を受けて以降、試行錯誤を繰り返した高木社長は「強度を高くすると本来重くなる。強くて軽い生地にするのは難しかった」と振り返る。

FWが一丸となってスクラムを組む際には、選手がジャージーをつかみ合うため、生地が伸びすぎないようにする必要もあった。ポリエステル製の「高強力糸」という糸を使い、糸の組み合わせや編み方の検討を重ね、前回W杯時との比較で、耐久性が9%向上し、12%軽くなった生地が完成した。

今大会の日本代表の快進撃の中で、スクラムは大きな武器となっている。2戦目・アイルランド戦での逆転トライはスクラムが起点となり、3戦目・サモア戦でボーナスポイントをもぎ取った試合終了間際のトライは、スクラムを押し込んだことで生まれた。

高木社長は「(サモア戦では)私たちが手掛けた生地が活躍につながっていると実感できた」と話し、20日の南アフリカ戦に向け、「強豪だが4年前に勝利した相手。再び勝利し、決勝で世界最強のニュージーランドと戦ってほしい」と話した。

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