[大野均の目]戦い方 扉の先の課題

南アフリカはフォワードの強さを生かし、一貫性を持って圧力をかけてきた。

決勝トーナメントの戦い方をわかっていると感じたのは、3―21で迎えた後半28分頃、南アのゴール前での日本ボールでのラインアウトだ。点差と時間を考えると、日本はモールを組んで押し込みたい場面。南アはジャンプする身長2メートル級の選手を手前に配置し、持ち上げる選手を通常の2人ではなく1人にして並ぶ人数を増やした。日本は球を奪われて好機を失うと、逆にその後、だめ押しのトライを決められた。

素早くパスを回す日本のスピードのある攻撃についても、南アはしっかり分析していた。パスコースをふさぎ、パスを出す選手に対しては前に出てタックルを仕掛けてきた。

グループリーグを振り返ると、南アが選手を入れ替えながら戦い、ピークを決勝トーナメントに合わせてきたのに対し、日本は4試合ともベストメンバーをそろえ、全力を尽くした。週に1度の試合は南ア戦で5試合目となり、疲労も蓄積していたはずだ。

日本は前回大会で3勝しながら勝ち点のボーナス点が取れず、8強を逃した。今回はボーナス点を狙う戦いをし、初めて準々決勝に進んだ。扉を開いたからこそ、見えてくる課題がある。

今大会で、ラグビーの素晴らしさを教えてくれた日本代表の選手たちには感謝しかない。日本のスピードや運動量は世界のトップと遜色ない。代表の練習だけで、このスタンダードを落とさず、さらに伸ばせるわけではない。4年後のW杯に向け、選手一人ひとりの努力と準備が必要だ。(東芝選手、日本代表最多キャップ保持者)

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