[桜の躍進]<上>細部追求 大会中に成長

日本代表が地元開催のワールドカップ(W杯)で、史上初の8強入りを果たした。ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)のチーム作りを振り返るとともに、今後の課題を考える。

「毎試合成長している。怖いくらい強くなっている」。グループリーグ突破を決めたスコットランド戦から一夜明けた14日、主将のリーチ(東芝)は手応えをこう表現した。

2戦目でアイルランドから歴史的金星を挙げた。単純なミスを連発したロシアとの開幕戦から一転して、大会開幕時点で世界ランキング1位だった強豪に2人がかりで止める「ダブルタックル」を何度も浴びせ、相手が得意とするスクラムでも互角に渡り合った。前半34分には、相手ボールのスクラムを強気に押して反則を誘い、試合の流れを引き寄せた。

かつて日本の弱点だったスクラムは、今大会は武器と言えるまで成長を遂げた。長谷川コーチは、フォワード8人の力を結集する組み方を追求。2016年の就任時からW杯会場の芝生の質も考慮し、地面への足のつけ方など細部を突き詰めてきた。

アイルランドの選手にタックルするムーア(右)ら

ジョセフHCも「ディテール(細部)」にこだわってきた。「ディテールを落とし込むことで、(相手の)圧力がかかる中でも選手が役割を遂行できるようになる」。タックルでも力をうまく伝えるために右脚で踏み込む時は右肩を当てるなど、細かい動きをたたき込んだ。プロップ稲垣(パナソニック)は「プレーのディテールが、W杯期間中でさらに一段上がった」と、取り組んできたことが、大舞台でさらに進化したと説明した。

ジョセフHCの選手起用も当たった。9人が全5試合に先発するなどスタメンをほぼ固定。連係は試合を重ねるごとに高まり、多彩な攻撃を生み出す要因となった。アイルランド戦では、ロシア戦で本来の力を発揮できなかったリーチを先発から外した。3戦目のサモア戦では、リーチが先発する中、ラブスカフニ(クボタ)をゲーム主将に指名し、異例の「2人主将体制」を取った。結果的に、リーチは3戦目以降、攻守で迫力あるプレーを取り戻した。

チーム内では各試合で四つの賞が設けられている。その中には、試合へ向けた準備に貢献した選手やスタッフを表彰するものもあった。大会で1試合もベンチ入りできなかった選手も士気を保ち、出場する選手の練習相手や試合時の給水役などとして貢献した。

ジョセフHCは20日の南アフリカ戦で敗れた後、「試合に出ていない選手たちの協力があったからこそ、本当にいいチームとなった」と語った。スローガンは「ONE TEAM(ワンチーム)」。チーム一丸で戦えたことが8強入りの快挙につながったと強調した。

関連ニュース

<<
ニュース一覧へ戻る
>>