[桜の躍進]<下>次代強化 長期的視野で


サンウルブズの選手としてプレーする堀江(右)。ニュージーランドや豪州などの代表選手を擁する強豪と対戦を重ね、日本の選手も強化された(4月)=杉本昌大撮影

サンウルブズの選手としてプレーする堀江(右)。ニュージーランドや豪州などの代表選手を擁する強豪と対戦を重ね、日本の選手も強化された(4月)=杉本昌大撮影

「今後がラグビー界にとって大事になる。競技の魅力、素晴らしさを発信していきたい」。南アフリカに3―26で敗れた準々決勝から一夜明けた21日、東京都内で開かれた日本代表の記者会見で、25歳のナンバー8姫野(トヨタ自動車)はこう決意を述べた。

日本はスタメンをほぼ固定し、一戦必勝で戦ったことが初のグループリーグ突破につながった。だが、準々決勝は南アのパワーに圧倒され、ノートライで完敗した。南アのように優勝を狙うチームは、先発を計画的に入れ替えるなどグループリーグから決勝トーナメントを見据えて戦っている。2023年の次回フランス大会で8強以上の成績を残すには、選手層の薄さ、若手の育成など課題は少なくない。

ところが、ワールドカップ(W杯)後の強化がどうなるか、不透明な部分は多い。16年から南半球最高峰リーグのスーパーラグビーに日本チーム、サンウルブズが参戦し、代表選手の多くが世界トップレベルの試合を毎週のように体験することで心身の強さを身に付けた。しかし、サンウルブズは20年シーズン限りでリーグから除外されることが決まっており、代表強化の柱の一つを失う。

また、この4年間は、地元開催のW杯を控え、伝統的な強豪国・地域が属する「ティア1」の10チームと対戦する機会に恵まれた。今後はそのような「優遇」はないことが予想され、日本協会の岩渕健輔専務理事は「どう試合を組んでいくかは、今後の大きな課題」と表情を引き締める。

長期合宿やサンウルブズで選手を鍛えることができた背景には、選手が所属するトップリーグの協力もあった。ある協会関係者は「強化資金が限られる中、『日本開催のW杯で8強』という大義の下、チームやスポンサーに頭を下げ、協力してもらった」と説明する。

協会の清宮克幸副会長は7月、W杯の12開催都市に本拠地を置く新プロリーグを21年秋に開幕させる構想を明らかにした。一方、同年以降のトップリーグの形式も懸案となっており、プロリーグ構想とは別に検討されている。

藤井雄一郎・強化委員長は4年後の4強入りに向け、「(日本大会の戦いを)しっかり検証し、ラグビー界一丸となってチャレンジしたい」と意気込む。日本ラグビー界の悲願を達成した選手、スタッフの奮闘を次代につなげるため、強化の歩みを止めるわけにはいかない。 (この連載は、矢萩雅人、中安真人が担当しました)

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