南ア 大接戦に蹴り…残り5分 勝ち越しPG

 後半35分、南アフリカのポラードが勝ち越しのペナルティーゴールを決める=杉本昌大撮影
後半35分、南アフリカのポラードが勝ち越しのペナルティーゴールを決める=杉本昌大撮影
 後半16分、トライを決める南アフリカのデアリエンディ
後半16分、トライを決める南アフリカのデアリエンディ
 T(トライ)は5点、G(ゴール)は2点、PG(ペナルティーゴール)は3点
T(トライ)は5点、G(ゴール)は2点、PG(ペナルティーゴール)は3点

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は27日、準決勝の残り1試合が横浜国際総合競技場で行われ、過去2度優勝の南アフリカが、初の決勝進出を目指すウェールズに19―16で競り勝ち、優勝した2007年大会以来、3大会ぶりに決勝へ進んだ。11月2日の決勝でイングランドと対戦する。ウェールズは同1日の3位決定戦で、ニュージーランドと顔を合わせる。

強い防御で主導権

南アフリカの武器は不変だ。世界トップクラスの屈強な体と強固な防御。自分たちの持ち味をウェールズへ存分に浴びせ続け、後半35分のポラードの決勝ペナルティーゴール(PG)に結実した。

キックで陣地を取り合うシーンが多く、互いにPGを積み重ねるなど、接戦となった。そんな緊迫した試合の中、南アの身体的な強さが光った。フォワードもバックスも体をぶつけた。攻撃では縦突破を狙い、一歩でも二歩でも前へ出る。相手に球が渡れば激しいタックルで阻んだ。エラスムス監督が「見ていて興奮するような試合ではないかもしれないが、照準を定めてプランを実行した」と振り返ったように、ボール支配率が39%にとどまりながら、許したトライは一つだけ。防御で試合をコントロールしていた印象が強い。

グループリーグ初戦でニュージーランド(NZ)に敗れたものの、そこから立て直してきた。準決勝を前に、主将のコリシは「チームとして成熟してきている。攻撃でも防御でも、セットプレーでも、プランを遂行する点でもよくなっている」とチームの成長を話した。大会を通じて、一歩、一歩、着実に前へと進んでいる。

過去2度のW杯制覇を誇る強豪も、前回大会後に低迷した時期もあった。この大会に向け、エラスムス監督は「信頼回復を目的としてきた」という。3大会ぶりの優勝まであと一歩のところまでたどり着いた。屈強な体を前面に押し出し、頂点をつかみ取るつもりだ。 (南恭士)

南アフリカ・エラスムス監督
「このチームには潜在能力があり、ここまで強くなる可能性はあった。(決勝で対戦する)イングランドの戦い方はわかっている。堂々と戦いたい」

■デクラーク鋭く
南アフリカのデクラークが、キックを効果的に使い、何度も味方を前進させた。準々決勝の日本戦でも活躍した28歳のスクラムハーフは試合開始早々には、敵陣でのスクラムから自ら持ち込み、前方のスペースにキック。ゴール前で密集を作って相手に圧力をかけた。「セットプレーも良かったし、フォワードがよくやった。それに尽きる。決勝は素晴らしい経験になる」と、大舞台を見据えていた。

ウェールズ 遠い決勝

4強の壁を越えることは出来なかった。ウェールズは前回大会も準々決勝で敗れた南アフリカにまたも屈し、初の決勝進出を逃した。

接点で押し込まれ続けた。しかし、持ち前の粘り強い防御とビガーのペナルティーゴールで追いすがる。9―16で迎えた後半20分過ぎには、相手ゴール前まで前進してペナルティーを獲得。そこで選択したスクラムから左へ展開し、アダムズが今大会トップの自身六つ目となるトライを奪ったが、残り5分で力尽きた。

今年は欧州6か国対抗を全勝で制し、初めて世界ランキング1位にもなった。今大会は1点差で制した準々決勝のフランス戦をはじめ、豪州など強豪相手に接戦を勝ち抜き、自信を深めて3度目の準決勝に臨んでいた。

2007年からウェールズを率いて今大会限りで退任するガットランド監督は、「残念だが、諦めずに戦い続けてくれた」とたたえた。チームの愛称は「レッドドラゴン」。最後まで勝利を目指す姿からは、選手たちの誇りが伝わってきた。 (矢萩雅人)

ウェールズ・ガットランド監督
「終盤に反則があって流れが向こうに行ってしまった。南アフリカはぶつかり合いが強く、決勝に行く資格のあるチームだ」

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