ボランティアは89歳…最年長 誘導から指導役まで


活動の合間に、サポーターと記念撮影に応じる安田さん(写真右)(27日、横浜国際総合競技場で)

活動の合間に、サポーターと記念撮影に応じる安田さん(写真右)(27日、横浜国際総合競技場で)

熱戦が続くラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で、横浜市の安田十四雄さん(89)が大会組織委員会の最年長ボランティアとして活躍している。横浜国際総合競技場(横浜市港北区)で活動し、5試合で場内誘導や指導役を務めてきた。最後の舞台となる11月2日の決勝戦でも笑顔でもてなす。

長野五輪から

約6万7000人が詰めかけた27日の南アフリカ―ウェールズの準決勝。青色の公式ユニホーム姿の安田さんはこの日、ボランティアの指導役を務めていた。競技場2階の控室に顔を出した若手メンバーに「疲れはない?」「今日も一日頑張って」などと呼び掛けた。以前の試合では、片言の英語に身ぶりを交えて外国人の案内もこなした。

ボランティアの原点は1985年、地域の子どもと富士山に泊まりがけで行った活動。趣味の登山で培った火おこしの方法などを熱心に聞く子どもたちの表情を見てやりがいを感じた。

その10年後、長野五輪のボランティアに応募。報道カメラマンの支援役を担当し、撮影フィルムを回収したほか、シャッターを切りやすいよう選手がジャンプ台を飛び出す瞬間に合図を送った。「運営の力になれた気がして、達成感は格別だった」と振り返る。

「東京」で集大成

スポーツウェアのデザインや喫茶店の経営をやめ、サッカーJリーグで横浜市の競技場内の観客案内を行うなど生活はボランティア一筋になった。2002年のサッカーW杯日韓大会では、ボランティアリーダーを経験。来年の東京五輪・パラリンピックを「ボランティア人生の集大成」と位置付けている。

ラグビーW杯はこれまでの5試合で、ビールを片手に国境を超えて交流するサポーターを目の当たりにした。試合後は他競技以上にボランティアに感謝の気持ちを伝える姿に感激し、「サポーターにもノーサイド精神が根付いている」と感じている。安田さんは「オール・フォー・ワン(みんなは一人のために)というラグビー精神と一緒で、チームワークで最後も笑顔で活動したい」と誓った。

12都市で1万3000人 活動

W杯のボランティアは、全国12の開催都市で計約1万3000人が活動している。愛称は「チーム・ノーサイド」。青いユニホーム姿で国内外から訪れる観客をもてなしている。

競技場では入場ゲートや座席を案内し、写真撮影の依頼にも気軽に応じる。試合後は興奮した観客らをハイタッチで送り出し、最寄り駅までの誘導にあたる。

パブリックビューイングなどが行われる「ファンゾーン」でも活躍。羽田空港や東京・新宿、浅草といった観光地には、語学が堪能な人が配置されている。

大会組織委員会の担当者は「日本らしい心配りの行き届いたもてなしをしたい。一番大切なのは『笑顔』。多くの人にとって『一生に一度』になる大会を盛り上げたい」と話している。

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