[クッツェーの目]極限の決勝 運も味方に

南アフリカの猛タックルがウェールズの突破を阻む

キックの応酬とフォワードのぶつかり合いが、あちこちで飛び出した。私の出身国の南アフリカは27日の準決勝で、ウェールズとの激闘を19―16で制した。

わくわくするような展開ラグビーではなかったかもしれないが、南アは実に我慢強く、効果的にプレーした。体の強さがものを言う試合を耐え抜き、相手が反則を犯せば、司令塔ポラードの正確なペナルティーゴールで得点を稼いだ。

南アのデクラークが、体格の差を顧みず、ウェールズの選手とやり合う

私が南アを率いた2016~18年は、前回大会までいた世界トップクラスの主力が代表を退き、チームの刷新が求められる難しい時期だった。私の下で代表デビューを飾ったデクラークらは当時、ミスが多かったが、国際試合を重ねて成熟し、今や決勝進出の立役者の一人になった。

イングランドとの決勝は、我々が2度目の世界一に上り詰めた2007年大会と同じ顔合わせ。イングランドのジョーンズ監督はその大会でアドバイザーとして南アの一員だったから、我々の心理状態を見透かされてしまう心配はある。

2007年大会決勝では、その後サントリーでプレーしたロッソウが、身を投げ出して決死のタックルで相手のトライを間一髪で防ぎ、優勝をつかんだ。極限状態の決勝ともなれば、単に運が結果を分かつこともある。勝機をつかむため、誰一人さぼってはならない。

<アリスター・クッツェー>
2007年W杯は南アフリカ代表のコーチとして優勝に貢献。スーパーラグビーの「ストーマーズ」(南ア)、トップリーグの神戸製鋼などを指揮し、2016~18年に南ア代表監督。2018年3月からキヤノンをヘッドコーチとして率いる。56歳。

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