山中 恩返しの5キャップ…平尾さんの言葉 胸に奮闘


スコットランド戦で、ボールを持って突進する山中=伊藤紘二撮影

スコットランド戦で、ボールを持って突進する山中=伊藤紘二撮影

波乱万丈のラグビー人生に輝かしい1ページが書き加えられた。ワールドカップ(W杯)日本大会に臨んだ日本代表のフルバック山中亮平(31)(神戸製鋼)は、アイルランド戦など3試合に先発して8強入りに大きく貢献した。

大阪・東海大仰星高、早大で日本一を経験した逸材は、2011年に口ひげを生やすために塗った育毛剤が原因でドーピング違反となり2年間の資格停止処分を受けた。復帰後も前回大会は代表入りを逃し、その後も定着できなかった。

昨季、スタンドオフからポジションを移したことが転機となり、初のW杯切符をつかんだ。それでもレギュラー格ではなく「1試合ぐらい出られたらいいかな」と思っていたところ、全5試合に出場。トゥポウ(コカ・コーラ)が負傷した影響もあるが、開幕のロシア戦で途中出場し、持ち味の突破と精度の高いロングキックで存在感を示したことも要因だった。

ひるむことのないプレーの背景には、恩人の存在があった。資格停止処分を受けた際、神戸製鋼の総監督兼ゼネラルマネジャーとして支えてくれた平尾誠二さんの「ラグビーを楽しめ」という言葉を胸に刻み、大舞台でも臆さなかった。

平尾さんの命日と重なった準々決勝の南アフリカ戦も先発し、「自分にとって大事な試合」と臨んだ。キックの捕球やタックルなど防御に追われたが集中力は切らさなかった。「悔いなく思い切り楽しみ全力でぶつかることができた。平尾さんも見てくれたと思う。最高でした」。これまでの苦労も忘れさせる、晴れ晴れとした笑顔だった。(中安真人)

関連ニュース

<<
ニュース一覧へ戻る
>>