[クッツェーの目]「虹の国」結束の頂点

トライを決めマピンピと握手を交わすコルビ(2日)=伊藤紘二撮影

私の故郷、南アフリカが2日、1995、2007年に続く3度目の世界一に上り詰めた。16~18年にチームを率いた者として、私の下で経験を重ねた選手たちの好プレーが見られて喜ばしかった。多様な人種や文化を背景にした人々が力を合わせる「虹の国」を掲げる南アにとって、国民の結束を高める上で大きな優勝だった。

イングランドとの決勝は、開始25分での失点を3に食い止めたことが大きかった。これで心理的に優位に立てた。「野獣」の愛称を持つムタワリラはフォワード最前列で相手との個のバトルを制し、ボール争奪戦ではコリシやフェルミューレンの働きが際立った。後半は、ボールを奪い返してマピンピとコルビがトライを決めた。プラン通りの見事な試合運びだった。

初優勝した95年のチームに非白人選手は1人だけだった。今はその数が増し、コリシは黒人初の主将という重責を担った。彼には「国民を鼓舞し、チームをまとめてくれて誇りに思う」とメッセージを送った。「我々は一つになれば何かを成し遂げられる」――。試合後に彼が発した力強い言葉を人々はかみしめ、勝利を祝うことだろう。

南アには、かつてのコリシやマピンピのような、貧しくとも才能豊かな若者が大勢いて、そうした卵を継続的に育てていくことが欠かせない。幸い今回のチームには、次回大会も目指せる20歳代の選手が多い。12年おきではなく、4年ごとにこの喜びを味わいたいものだ。(キヤノン・ヘッドコーチ。前南ア代表監督)

イングランド対南アフリカの試合開始を待つ観客たち(2日)=伊藤紘二撮影

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