[大会総括]<1>SNS閲覧 最高17億回~情報発信でも「記録破り」

ロシアとの開幕戦で、日本のトライに沸くスタンドの観客たち(9月20日、東京スタジアムで)=三浦邦彦撮影

ラグビーワールドカップ(W杯)は日本代表の躍進もあり、大きな盛り上がりを見せた。日本のおもてなしやラグビーの精神が注目を浴びる一方、台風の影響で3試合が中止になり、来年の東京五輪・パラリンピックへ向けた課題も出た。ラグビー伝統国以外で初めて開催された大会を検証する。

 

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の決勝から一夜明けた3日、大会を総括する記者会見で、国際統括団体ワールドラグビー(WR)のビル・ボーモント会長は満足げに語った。「記録破りの大会となった。(開催が決まった)10年前、誰もこうした成功があるとは思っていなかった」

大会組織委員会によると、台風19号の影響で中止になった3試合を除く計45試合の観客数は計170万4443人に上り、大型映像装置で観戦できるファンゾーンにはW杯史上最多の約113万7000人が来場した。日本が8強入りを決めたスコットランド戦(10月13日)のテレビの瞬間最高視聴率は53.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマークした。

日本代表の活躍とともに、SNSによる情報発信が盛り上がりに大きな影響を与えた。組織委は、ツイッターやインスタグラムなどに公式アカウントを開設し、グラウンド内外の選手の様子を積極的に発信した。海外のチームが試合後にお辞儀をする動画やロッカールームを掃除する様子は一気に拡散し、話題となった。

WRは、ソーシャルメディアの閲覧数が17億回に上ったと説明。組織委の河原井瑛太・広報コミュニケーション部主任は「若い世代やラグビーに興味がない人も面白いと思えるような内容を大事にした。SNSでの話題を新聞やテレビなどでも取り上げてもらい、さらに盛り上がった」と話す。

苦戦が予想されていたチケットは約184万枚(中止の3試合を含む)を売り上げた。販売可能席の99.3%にあたり、これはW杯で過去最高の数字だ。

同じ会場のグループリーグ全試合が観戦できる「スタジアムパック」などセット券を販売。情報発信の機会を増やそうと、一般向けの先着順販売に先立ち、開催自治体の住民らを対象とした先行販売を段階的に進めたことが功を奏した。販売が伸び悩む会場では、部署横断型のプロジェクトチームがPRを強化。一部の会場ではWRと交渉し、企業など団体向けの販売も実施した。

日本開催決定から6年後、2015年に実施された調査で、認知度はわずか51.2%だった。組織委の嶋津昭事務総長は決勝の翌日、「世界的なラグビーの普及、発展につながるグラウンドブレイキング(画期的)な大会を成功させることができた」と胸を張った。

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