【日本】 悲願の決勝T進出まであと一歩

Japan

世界ランキング7位

ワールドカップ(W杯)には1987年の第1回大会から出場する。2003年オーストラリア大会で強豪チーム相手にひるまず立ち向かい、チームの愛称は「チェリー・ブロッサムズ」(桜の戦士)から「ブレイブ・ブロッサムズ」(勇敢な桜の戦士)に。2015年イングランド大会では、強豪・南アフリカを相手に「スポーツ史上最大のジャイアントキリング」を演じた。最多となる3勝を上げ、悲願の決勝トーナメント進出まであと一歩に迫った。それだけに今大会では警戒され、分析もされているだろう。アイルランド、スコットランドと同じグループリーグA組を勝ち上がるには、ここ一発の「ジャパン・オリジナル」が欠かせない。

日本のラグビー関係者を取材した際、「これだけ分析技術が進めば『勝ち方』はどの国でも同じになる。違いが出るとすればヘッドコーチの采配、味付けだ」と聞いた。フォワードとバックスが一体となったリズムが魅力のニュージーランド、堅実な試合運びで勝利を呼び込むアイルランド、力強さを前面に打ち出す南アフリカなど、選手の個性や資質に裏打ちされたチームカラーがある。

日本のカラーはなかなか見ることができなかった。代表候補選手で特別編成された「ウルフパック」と、スーパーラグビーの日本チーム・サンウルブズに分かれての強化を進めたこともある。ベールを脱いだのはパシフィック・ネーションズ杯(PNC)だった。細かいキックやパスを交えた戦術はヘッドコーチ、ジェイミー・ジョセフの独自色なのだろう。

「ジョセフ・ジャパン」の試合を組み立てるのはスタンドオフの田村優だ。代表の強みを知り尽くした司令塔は冷静に状況判断する。バックスではウィングの福岡堅樹はもちろんだが、松島幸太朗に注目したい。ウィング、フルバックに加えセンターもこなす。W杯は1か月半に及ぶ長丁場で、選手のけがも心配される。複数のポジションを任せられるユーティリティープレーヤーは貴重な戦力だ。松田力也、山中亮平の起用方法もポイントになるだろう。茂野海人、田中史朗、流大のスクラムハーフ3人はそれぞれに特徴があり、試合の流れ、テンポを変える。

フォワードを牽引するリーチマイケルはジョセフ・ジャパンの支柱でもある。期待されるのは姫野和樹だ。トップリーグ1年目からトヨタ自動車の主将を務めるハードワーカーは自らのプレーでチームを鼓舞する。相手ディフェンスのタックルを受けた後、いったんボールを手放し、拾い上げる素早いリリースとピックアップで前進を図る。大型化を図ったとはいえ、世界レベルでみれば体格の差は歴然としている。プロップ稲垣啓太、フッカー堀江翔太ら第1列がどれだけ踏ん張れるかが、目標の「ベスト8入り」を左右するだろう。

◆日本の大会成績(通算4勝22敗2分)
①1987年
18-21 ○アメリカ
7-60 ○イングランド
23-42 ○オーストラリア
②1991年
9-47 ○スコットランド
16-32 ○アイルランド
52-8 ●ジンバブエ
③1995年
10-57 ○ウェールズ
28-50 ○アイルランド
17-145 ○ニュージーランド
④1999年
9-43 ○サモア
15-64 ○ウェールズ
12-33 ○アルゼンチン
⑤2003年
11-32 ○スコットランド
29-51 ○フランス
13-41 ○フィジー
26-39 ○アメリカ
⑥2007年
3-91 ○オーストラリア
31-35 ○フィジー
18-72 ○ウェールズ
12-12 △カナダ
⑦2011年
21-47 ○フランス
7-83 ○ニュージーランド
18-31 ○トンガ
23-23 △カナダ
⑧2015年
34-32 ●南アフリカ
10-45 ○スコットランド
26-5 ●サモア
28-18 ●アメリカ

日本代表31人(8月29日発表)

フォワード FW

主なポジション
氏名(開幕時の年齢)
所属 出身校
身長 体重
国代表試合への出場回数
(写真は、日本ラグビー協会提供)
【プロップPR】
稲垣 啓太(29)
パナソニック 関東学院大
186センチ 116キロ
28回
【プロップPR】
木津 悠輔(23)
トヨタ自動車 天理大
178センチ 113キロ
3回
【プロップPR】
具 智元(25)
ホンダ 拓殖大
183センチ 122キロ
7回
【プロップPR】
中島 イシレリ(30)
神戸製鋼 流通経済大
186センチ 120キロ
2回
【プロップPR】
バル アサエリ愛(30)
パナソニック 埼玉工業大
187センチ 115キロ
8回
【フッカーHO】
北出 卓也(27)
サントリー 東海大
180センチ 102キロ
0回
【フッカーHO】
坂手 淳史(26)
パナソニック 帝京大
180センチ 104キロ
16回
【フッカーHO】
堀江 翔太(33)
パナソニック 帝京大
180センチ 104キロ
61回
【ロックLO】
トンプソン ルーク(38)
近鉄 リンカーン大(NZ)
196センチ 110キロ
66回
【ロックLO】
ビンピー・ファンデルバルト(30)
NTTドコモ ネルスプロイト高(南ア)
188センチ 106キロ
12回
【ロックLO】
ヘル ウベ(29)
ヤマハ発動機 拓殖大
193センチ 113キロ
13回
【ロックLO】
ジェームス・ムーア(26)
サニックス ブリスベンステート高(豪州)
195センチ 102キロ
2回
【フランカーFL】
ツイ ヘンドリック(31)
サントリー 帝京大
189センチ 108キロ
44回
【フランカーFL】
徳永 祥尭(27)
東芝 関西学院大
185センチ 100キロ
11回
【フランカーFL】
リーチ マイケル(30)
東芝 東海大
190センチ 110キロ
62回
【フランカーFL】
ピーター・ラブスカフニ(30)
クボタ フリーステート大(南ア)
189センチ 105キロ
2回
【フランカーFL/No.8】
姫野 和樹(25)
トヨタ自動車 帝京大
187センチ 108キロ
12回
【No.8】
アマナキ・レレイ・マフィ(29)
NTTコミュニケーションズ 花園大
189センチ 112キロ
24回

 

バックス BK

【スクラムハーフSH】
茂野 海人(28)
トヨタ自動車 大東文化大
170センチ 75キロ
9回
【スクラムハーフSH】
田中 史朗(34)
キヤノン 京都産業大
166センチ 72キロ
70回
【スクラムハーフSH】
流 大(27)
サントリー 帝京大
166センチ 71キロ
18回
【スタンドオフSO】
田村 優(30)
キヤノン 明治大
181センチ 92キロ
57回
【スタンドオフSO/センターCTB】
松田 力也(25)
パナソニック 帝京大
181センチ 92キロ
19回
【ウィングWTB】
福岡 堅樹(27)
パナソニック 筑波大
175センチ 83キロ
33回
【ウィングWTB】
アタアタ・モエアキオラ(23)
神戸製鋼 東海大
185センチ 114キロ
3回
【ウィングWTB】
レメキ ロマノ ラバ(30)
ホンダ ランコーン高(豪州)
177センチ 92キロ
11回
【センターCTB】
ウィリアム・トゥポウ(29)
コカ・コーラ ブリスベンステート高(豪州)
188センチ 101キロ
9回
【センターCTB】
中村 亮土(28)
サントリー 帝京大
178センチ 92キロ
18回
【センターCTB】
ラファエレ ティモシー(28)
神戸製鋼 山梨学院大
186センチ 98キロ
17回
【フルバックFB/ウイングWTB】
松島 幸太朗(26)
サントリー 桐蔭学園高
178センチ 88キロ
33回
【フルバックFB】
山中 亮平(31)
神戸製鋼 早稲田大
188センチ 95キロ
13回
【ヘッドコーチHC】
ジェイミー・ジョセフ(49)
NZ代表として1995年W杯に出場し、日本のサニックスでもプレー。99年W杯には日本代表として出場。引退後は、スーパーラグビーのハイランダーズを優勝に導くなど、指導者として実績を積んだ。

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