【南アフリカ】 驚異的な身体能力と「刺さる」タックルが武器

South Africa

世界ランキング3位(2019年11月)

スポーツと政治を切り離して考えるのは難しい。南アフリカのラグビーワールドカップ(W杯)初参加は自国開催の1995年第3回大会だった。アパルトヘイト(人種隔離政策)への制裁として世界がスポーツ交流を禁じていたからだ。メンバーのほとんどが白人のラグビーは黒人からは「アパルトヘイトの象徴」とみられていた。

初の黒人大統領ネルソン・マンデラがW杯決勝で代表ジャージーを着て応援する姿は人種融和を訴えた。ジャージーの袖には「46664」という数字をみることがある。下2桁が表す1964年に刑務所に送られた466番目の囚人を意味する。獄中生活を送ったマンデラの服役番号だった。

代表の愛称「スプリングボクス」は、アフリカ南部に生息し、驚異的な跳躍力を持つガゼルに似た哺乳類からとった。南アのラグビーの特徴は驚異的な身体能力だ。タックルやコンタクトプレーは「当たる」ではなく「刺さる」と表現すべきだろう。刺された相手はひとたまりもない。刺さった方は平然と次の攻防に備える。体の強さは約1か月半に及ぶ長丁場のワールドカップでチームの強みとなる。

南半球の強豪4か国によるザ・ラグビーチャンピオンシップで初優勝し調子を上げている。W杯では初出場で自国開催の1995年と2007年フランス大会で優勝している。今回も12年ぶりの優勝を目指す。

南アフリカの魅力は「強さ」だ。まずはフォワードに注目したい。第1列から個性的な選手がそろった。プロップで代表キャップ100を超えるテンダイ・ムタワリラは突進するたびに「ビースト」の声が上がる人気プレーヤーだ。マルコム・マークスは間違いなく世界最高のフッカーだろう。ロックのエベン・エツベス、日本でもプレーしたドウェイン・フェルミューレンら強者をまとめるのは黒人初の主将シヤ・コリシだ。

バックスは経験豊かなスタンドオフのハンドレ・ポラード、センターのフランソワ・ステイン、ジェシー・クリエルが存在感を示す。ウィング、フルバックには若手のスピードスターを選出した。フランスのプロリーグ「トップ14」でも活躍し、ヘッドキャップがトレードマークのチェスリン・コルビ、シブシソ・ンコシがトライを重ねれば、2007年フランス大会以来3回目の優勝、ウェブ・エリス杯獲得に近づくだろう。スクラムハーフのハーシェル・ヤンキースはW杯直前に行われた南半球4か国のラグビーチャンピオンシップでの活躍が評価され、抜擢された注目株だ。

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