木内達朗「タラント」挿絵展

読売新聞

 角田光代さんの連載小説『タラント』は、一日一話ずつ、読売新聞に掲載されています。世の中のどこにでもいそうな主人公のみのりと、周りの人物たちが紡ぎ出す物語に、優しく寄り添い続けているのが、イラストレーターの木内達朗さんの挿絵です。
 普段は一回ずつしか見られない挿絵を、名作選として特別に編み直しました。様々な場面で覚えたあの感動を、もう一度味わっていただけたらと思います。

 まだ、この作品に出会っていないあなたには、物語の扉を開くきっかけに――。

みのりの実家は、香川のうどん屋

大学進学、帰省……人生の節目は、飛行機に乗った

現在のみのりは、洋菓子屋で働く

結婚し、仕事もあるけれど、どこか中ぶらりん

大学時代は、初めは少し戸惑ったけれど

思いがけない友人や先輩との出会いがあった

祖父の清美が、なぜか突然訪ねてきた

ボランティアサークルに入って、海外にも出かけた

子供たちの顔が、まぶしかった

見上げた空は、星だらけだった

仲の良かった翔太は、カメラマンの道を歩み始め

親友の玲は大学卒業後、フリーのジャーナリストになった

みのりは、小さな出版社に就職した

みんな人生、順調に進んでゆくと思っていた

でも、海外でのボランティアは難しかった

友人が、思わぬ出来事にも巻き込まれた

さらに、大きな悲劇がみのりを襲った

実家の海が、心を癒やした

パラスポーツとの思わぬ出会い

おいの陸は、アイマスクをして走ってみた

パラアスリートって、格好いい

涼花さんは、東京パラリンピックを目指している

祖父の清美と、涼花さんが知り合いって本当かな

気がつけば、みのりは40歳前。ビールがよく似合うようになった

掛けがえのない思い出がたくさんある

もう一度、昔の明るさが取り戻せる日が来るのかな

戦争って、本当は私たちからあまり遠くないのかな

振り返れば、傷つけられた人たちがたくさんいる

無口な祖父の清美が、大きく笑ったことがあるという

この小説を読み終えたとき、「タラント」の本当の意味が分かる


The Yomiuri Shimbun