東京2020パラリンピック

世界のトップアスリートたち・前編

制作・著作 読売新聞

 パラリンピック東京大会には、162か国・地域から、難民選手団も含めて、約4400人の選手が参加した。コロナ禍やさまざまな困難を乗り越えて日本にやってきた選手たち。その表情や戦いぶりを紹介する。(2021年8月公開、9月更新)

難民選手団でアフガニスタン出身のアッバス・カリミ(24)。生まれつき両腕がない。10代前半で水泳を始めたが、祖国では障害に加え、少数民族としても差別や迫害を受けた。16歳の時、安全な環境を求めてトルコに渡り、避難生活を経て、現在は米国でトレーニングする。競泳男子50メートルバタフライ予選に出場した(8月27日)=泉祥平撮影

8月27日の50メートルバタフライで8位に入り、「決勝進出が目標だった。素晴らしい気分だ」と笑顔を見せた。写真は同日に行われた競泳男子50メートルバタフライ予選で力泳するアバス・カリミ=泉祥平撮影

8月30日、競泳男子50メートル背泳ぎ予選に出場したアバス・カリミ。1組7着で、50メートルバタフライに続く決勝進出は逃したが、初出場のパラで確かな足跡を残した=泉祥平撮影

5人制サッカー男子視覚障害1次リーグで日本と対戦したブラジルのエース、リカルド・アウベス。鋭いドリブルが武器で、この試合も2得点の活躍を見せた(8月30日)=菅野靖撮影

リカルド・アウベスは8歳で完全に視力を失った。その後、ブラインドサッカーを始め、パラには2008年北京大会から出場。栄冠を手にし続け、今大会もブラジルの5連覇に貢献した(写真は8月30日)=菅野靖撮影

アーチェリー男子コンパウンド個人でインド選手との対戦に臨む米国のマット・スタッツマン(38)。自身3度目のパラリンピックはリオデジャネイロ大会と同じ9位に終わった(8月28日)=沼田光太郎撮影

生まれつき両腕がなく、日常生活の全てを足でこなしてきた。競技を始めたのは2010年。当時は専業主夫だった。「狩猟が出来るようになれば、家族を養えると思ったんだ」。そんな動機だったが、競技者として才能を開かせる(8月28日)=沼田光太郎撮影

右足で弓を持ち、肩に装着した補助器具と顎を使って矢を射る独特のスタイルで、12年ロンドン大会銀メダル。健常者の大会の米国代表にも選ばれるなど、アーチャーとしての地位を確立した(8月28日)=沼田光太郎撮影

トライアスロン女子(視覚障害)で、ガイドに支えられながら走るスペインのスサナ・ロドリゲス(右)(8月28日)=池谷美帆撮影

優勝し、感極まるスサナ・ロドリゲス(左)。レースをともにしたガイドがその肩にそっと手を置いた。ロドリゲスは母国で新型コロナウイルス対策の最前線に立つ医師でもある(8月28日)=池谷美帆撮影

陸上女子5000メートルで銅メダルを獲得した米国のタチアナ・マクファーデン。夏のパラリンピックに4大会連続出場。短距離からマラソンまで幅広く活躍し、ロンドン大会では3つ、リオ大会では4つの金メダルを獲得したレジェンド(8月28日)=杉本昌大撮影

陸上女子5000メートルで優勝したスザナ・スカロニ(右)と並ぶタチアナ・マクファーデン。今大会も5つのレースに出場した(8月28日)=杉本昌大撮影

陸上混合400メートルユニバーサルリレーで米国の最終走者として優勝に貢献したマクファーデン(手前左)(9月3日)=伊藤紘二撮影

陸上混合400メートルユニバーサルリレーの表彰式で米国チームと表彰台で金メダルを手にするマクファーデン(右端)(9月4日)=杉本昌大撮影

陸上女子マラソン(車いす)で銀座を走るマクファーデン(左)。5位に入った(9月5日)=泉祥平撮影

卓球女子シングルス1次リーグで日本の竹内望と対戦したポーランド代表、ナタリア・パルティカ。リオ大会まで、パラリンピック卓球女子シングルスで4大会連続金メダルを獲得してきた。東京大会では5連覇を目指した(8月25日)=菅野靖撮影

2008年北京大会から五輪とパラの両方に出場し、東京大会では五輪で1勝を挙げた(8月25日)=菅野靖撮影

準決勝で豪州の選手(左奥)と対戦し敗れた。5連覇を阻まれたが銅メダルを獲得した(8月28日)=菅野靖撮影

卓球女子団体で対戦した日本チームから記念撮影を求められ、笑顔で応じたナタリア・パルティカ。団体では金メダルを獲得した(9月1日)=菅野靖撮影

車いすラグビーで3連覇を目指す豪州のエース、ライリー・バット(32)。先天性の両脚欠損で、手の指にも障害を抱える。15歳の時に2004年アテネパラリンピックに出場。08年北京大会で銀メダル獲得に貢献し、12年ロンドン大会、16年リオデジャネイロ大会ではトライを量産してチームを連覇に導いた(8月25日のデンマーク戦で)=杉本昌大撮影

1次リーグの日本戦で池崎大輔(右)と対峙するライリー・バット。最大の持ち味は、相手のタックルをものともしない力強い突破(8月27日)=横山就平撮影

3位決定戦で日本と対戦。池透暢(ゆきのぶ)(左)と激しくぶつかるライリー・バット。日本に敗れメダルを逸した(8月29日)=秋月正樹撮影

競泳男子100メートル自由形決勝で力泳するブラジルのダニエル・ジアス。先天性の病気で両腕の先と右脚の膝から下がないが、残った体の部位を徹底的に鍛え上げ、世界のトップスイマーに駆け上がった(8月26日)=泉祥平撮影

母国開催の2016年リオデジャネイロ大会で金4個を含むメダル9個を獲得し、ブラジル中を熱狂させた(8月26日)=泉祥平撮影

競泳男子100メートル自由形で銅メダルを獲得したダニエル・ジアス。過去3大会で金14個を含む24個だった。東京大会では6種目に出場し、銅メダル三つを獲得した。今大会で現役生活にピリオドを打った(8月26日)=泉祥平撮影

陸上女子こん棒投げに出場した難民選手団のアリア・イッサ(8月27日)=杉本昌大撮影

脳に障害を持つが、史上初の難民女子パラリンピアンとして歴史に名を刻んだ(8月27日)=杉本昌大撮影

競泳女子400メートル自由形(視覚障害S11)決勝で、自らの世界記録を更新する世界新で優勝した米国のアナスタシア・パゴニス(8月26日)=泉祥平撮影

アナスタシア・パゴニスはSNSで活発に発信する17歳としても知られる。表彰式でメダルを手に笑顔を見せた。200メートル個人メドレーでは銅メダルを獲得した(8月26日)=泉祥平撮影

ベンチプレスのみで競うパワーリフティング。ナイジェリアのラティファト・ティジャニが試技の前に天井方向を見上げた(8月26日)=伊藤紘二撮影

ラティファト・ティジャニはパワーリフティング女子45キロ級で金メダルに輝いた(8月26日)=伊藤紘二撮影

卓球男子シングルスに出場したエジプトのイブラヒム・ハマト(48)は両腕欠損のため、口にラケットをくわえ、球を打つというスタイルで注目を集めた(8月27日)=菅野靖撮影

立位で最も障害の重いクラス。サーブでは、球を右足の指でつかんで放り上げ、首を振ってスピンを掛けて打つ。10歳の時に列車事故で両腕を失った後、卓球に挑戦した。ラケットを脇に抱えるフォームから試行錯誤を重ね、今のフォームに落ち着いた(8月25日)=菅野靖撮影

コロナ禍で昨年は練習ができなかったが、今年2月からコーチと隔離生活に入ってようやく再開できたという。2度目となるパラリンピックには、首の筋力と 噛か む力を鍛えて臨んだ。「日本は不可能を可能にしてきた国。私も(同じ)メッセージを伝えたい」(8月27日)=菅野靖撮影

車いすラグビーのニュージーランド代表。ラグビーといえば南太平洋諸国などがキックオフ前に披露する、伝統の踊りも楽しみの一つだが、それは車いすラグビーでも同様。8月25日にはニュージーランドの「ホイール(車輪)ブラックス」が、先住民マオリ族に由来する「ハカ」を見せてくれた=杉本昌大撮影

車いすフェンシング女子サーブル個人決勝で対戦した中国の辺静(左)とジョージアのニノ・ティビラシビリ=川崎公太撮影

戦いを終えると優勝した辺静(左)はニノ・ティビラシビリに歩み寄り、車いすをゆっくり押し始めた。談笑しながら会場を後にする2人の姿に、会場のボランティアからひときわ大きな拍手が送られた=川崎公太撮影

【撮影】読売新聞写真部

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