大切な友だち

制作 Shanti

雨季が終わると、マガリ川は干上がるようになります。そんなときポ・ニと、その友達ニョ・マウンは、干上がった川に残る魚を捕まえることができるので、とってもうきうきしています。

二人は、大人が見ていない時には、ざる、銛、そしてバケツを使って川の中の魚を捕まえていました。

今日は牛を草地にはなしたあと、ポ・ニはニョ・マウンを魚捕りに誘いました。
(ポ・ニ): 「明日、上流のダムの水が放流されるから、魚は取れないと思うよ」

冬のゴマを育てる時期になるとダムの水が放流されるので、川は水で溢れます。クボタのポンプを使い、川から水をゴマ畑に送ります。そんなときはポ・ニたちは魚を捕まえることはできませんが、川の中で思いっきり泳ぐことができます。

魚を捕まえる前には、小さな堤防をしっかり築かなくてはいけません。そのあと、ざるをしかけ、浅くなった川から水をぬきます。こうすることで、沢蟹や小さな魚がネットに残るのです。

ときには、大きな魚もとれます。そういった魚は一時的に砂のなかにうめておきます。 「ああ、肩が熱くなってきたよ。水を抜くのにはずいぶん時間がかかるね」 「もう少しで水がなくなるよ、がんばろう!」

水がようやくなくなり、大小さまざまな魚を捕まえることができました。ニョ・マウンは銛を使ってとげとげのうなぎを捕まえました。

二人は暑さにまいってしまいましたが、たくさん魚を捕まえることができて、とっても幸せでした。捕った魚をすべてバケツに保管することにしました。二人は家で魚を使ったカレーを食べられるのが大好きでした、けれど、ポ・ニの母親は牛の世話をしているときに魚を捕るのは好みませんでした。

遠くからだれかの声が聞こえました。
「ポ・ニ, きみのところの牛がレイ・ミャさんのピーナッツ畑の南側に入ってその葉っぱを食べているよ」
(ポ・ニ): 「ああ、ニョ・マウン、牛を連れてこなくちゃ。レイ・ミャさんが知ったら大変だ」ポ・ニは川からでて、村の南方に走っていきました。

レイ・ミャさんのピーナッツ畑は少し川から離れていました。彼らは魚を捕るのに熱中していたので、牛は遠く離れた場所まで行ってしまったのです。レイ・ミャさんはポ・ニの知り合いでしたが、もし彼がポ・ニのお母さんに告げ口をすると、ポ・ニはおしおきされてしまいます。

ポ・ニはなんとか牛を連れ戻し、水を飲ませるために川に戻ってきました。ポ・ニが川に戻ったときには、ニョ・マウンの姿はどこにもなく、魚の入ったバケツもなくなっていました。砂の中に埋めた魚も見つかりません。ポ・ニはニョ・マウンが不誠実にも魚を全部持って帰ってしまったに違いないと思いました。

カンカンに怒ったポ・ニは、ニョ・マウン家に走って向かいました。

しかし、家にニョ・マウンはおらず、彼の妹としか会えませんでした。
(妹):「お兄ちゃんは家にはいないわ。」
(ポ・ニ): 「どこに行ったの?」
(妹):「わからない。おばあちゃんを牛車に乗せてどこかへ行っちゃった。」

ポ・ニは必死に怒りをおさえながら、晩ご飯のために、牛と一緒に家に帰りました。彼は、ニョ・マウンが帰ってきたら真っ先になぐってやろうと心に決めていました。ニョ・マウンが不誠実であることを思えば思うほど、ますます頭にきました。

「ドウレイ・ミャおばさんは腹痛がひどくて、病院に行かなければいけなかったのよ」家に帰るとお母さんが言いました。ドウレイ・ミャおばさんはニョ・マウンのおばあさんです。
「そうか、ニョ・マウンはおばあさんを送るために牛車で病院に向かったんだね。」息子は答えました。
「そうよ、ニョ・マウンにしか送れないでしょ、知らなかったの?」と、お母さん。
(ポ・ニ)「ニョ・マウンが魚を盗ったんじゃないとすると、誰か他の奴が盗ったんだな。」

お母さんはコリアンダーの葉っぱを使って美味しい魚のカレーを作っていました。しかしポ・ニはまだ友達のことを怒っていたので、その魚カレーが美味しそうだなんて思いませんでした。
(ポ・ニの母)「さあ、ニョ・マウンが持ってきてくれた魚を食べましょう。捕った魚の全部を私たちにくれたのよ」
「えっ、本当?」
ポ・ニは自分が間違っていたことに気が付きました。大切な友達を信じようとしていなかったのです。
彼は魚カレーを食べながら、ニョ・マウンのやさしさを感じました。ポ・ニの気持ちはやすらぎに変わりました。

彼はこの経験から、友情はとっても大切なものだと学びました。
(ポ・ニ): 「ドウレイ・ミャおばあさんは直によくなるそうで、よかった。」
(ポ・ニ): 「たいせつな友ニョ・マウン、早く僕のもとに帰ってきて。」「マガリ川でまた一緒に楽しく泳ごうね。」
おしまい

絵・文:Mr. Sanchang Ko Ko Aung  サンチャン・コ・コ・アウン

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