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    「不老不死のクラゲ」若返る不思議、42年研究

    • 田辺湾で採取された直径約3ミリのベニクラゲ=久保田さん提供
      田辺湾で採取された直径約3ミリのベニクラゲ=久保田さん提供
    • 16日に開設される「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」(白浜町で)
      16日に開設される「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」(白浜町で)
    • 「生物への興味は尽きることはない」と話す久保田さん
      「生物への興味は尽きることはない」と話す久保田さん

     「不老不死のクラゲ」と呼ばれるベニクラゲの研究を42年間続ける京都大フィールド科学教育研究センターの元准教授・久保田信さん(65)が、生物の基礎研究や体験学習の場となる「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」を16日、和歌山県白浜町に開設する。飼育するベニクラゲとともに、約500点の生物標本などを展示する予定で、「多くの人に生物への関心を深めてもらい、我々人間の存在意義を確認してほしい」と話している。

     久保田さんは松山市出身。愛媛大理学部卒業後、北海道大大学院で理学博士を取得し、1992年から同センター瀬戸臨海実験所(白浜町)に移った。

     大学院時代からクラゲなど無脊椎動物の生態解明に取り組み、中でも、若返りを繰り返すベニクラゲ研究に没頭。「若返る薬の開発」を究極の目標に掲げ、イスラエルやイタリア、タイなどの海外へも足を延ばしてきた。

     同実験所は今年3月に退職したが、ベニクラゲ研究は今なおライフワークとなっている。併せて、「生き物についてもっと知ってもらえる場を」と、約1年前から開設準備を進めてきた。

     施設は、少林寺拳法の道場だった築約50年の鉄骨平屋約200平方メートルの建物を改修。研究室でベニクラゲを飼育し、展示・研修室には自ら採取したり寄贈されたりした生物標本約500点や、鳥やイタチの剥製はくせいなども展示する。入場者は持ち込んだ生物を顕微鏡で自由に観察することもできる。

     希望者にはベニクラゲの「若返り実験」ができる研修コースも設定。クラゲをステンレス製の針でつついてダメージを与えると、数日で「ポリプ」と呼ばれる幼体に若返る。その後、順調なら約2か月で元のクラゲの姿に戻る。久保田さんは、こうした若返りに1個体で14回成功したといい、「世界でも2回以上続けて若返らせた例はない」と胸を張る。

     久保田さんは「地球上には約145万種の動物が生息しており、興味が尽きることはない。ぜひ、一緒に勉強しましょう」と呼びかけている。

     午前9時~午後5時。入場料は一般200円、解説付きは500円(中学生以下はいずれも半額)。研修コースは要予約で3000円。問い合わせは同研究所(0739・20・7402)。(大場久仁彦)

    2018年07月11日 07時12分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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