「除去済み」放射性物質、福島第一の処理水に

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 東京電力は28日、福島第一原子力発電所のタンクで保管している放射性物質トリチウム(三重水素)が入った「処理水」の大半に、トリチウム以外の放射性物質が国の排水基準値を上回る濃度で残留していると発表した。処理水を処分する場合は、再浄化する方針も明らかにした。

 東電によると、今年8月7日時点の処理水の総量89万トンのうち、84%の75万トンが基準を満たしていない。現在の浄化能力は1日最大1500トンのため、再浄化には年単位の時間がかかる見通し。

 政府や東電はこれまで処理水について、汚染水に含まれる放射性物質のうち、トリチウム以外は除去済みと説明してきた。28日に記者会見した東電の松本純一・廃炉推進室長は「説明が不十分だった。反省している」と謝罪した。

 トリチウム以外の基準値超えは、2013年に浄化装置「多核種除去設備(ALPSアルプス)」の運転を開始した当時から把握していた。ストロンチウム90が基準の2万倍の1リットル当たり約60万ベクレル検出された例や、ヨウ素129が複数回、基準を超えて検出された例がある。東電はデータをホームページに掲載したが、積極的には公表していなかった。

 ALPSはトリチウム以外の62種類の放射性物質を除去できるが、運転を続けるうちにフィルターが劣化し、除去能力が下がる。フィルター交換には2日から2週間かかることから、交換を後回しにして、同原発の放射線量を下げるため汚染水の浄化を急いだ時期があったという。設備の不具合で除去能力が下がったケースもあった。

 松本室長は、「原発のリスク全体を下げることを優先した。処理水はタンクに保管されている限り、環境への影響はなく、問題はないと考えた」と述べた。

 処理水を巡っては、経済産業省の作業部会が16年、〈1〉基準値未満に薄めて海洋放出〈2〉蒸発させて放出〈3〉電気分解して放出〈4〉地下埋設〈5〉地層注入――の5種類の処分方法を提示した。

 経産省は8月下旬、処理水の処分方法について一般市民らから意見を聞くため、福島県と東京都で公聴会を開いた。処理水にトリチウム以外の放射性物質が残っていることを指摘する声が相次ぎ、「議論の前提が崩れた」などの批判意見が出ていた。

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