中国研究者に「科学者の暴走だ」…ゲノム双子

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 【広州=角谷志保美】中国広東省深センの大学の研究者が遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」技術で受精卵を操作して双子を誕生させたとする問題で、中国国営新華社通信は21日、広東省の調査チームが、この研究者が「個人の名誉と利益のため、国家が禁じている生殖目的でのヒトの受精卵のゲノム編集を行った」と結論付ける初期調査結果を明らかにしたと報じた。

     ◇

 報じられた調査結果が事実だとすれば、ゲノム編集で遺伝子が改変された子どもが世界で初めて生まれたことになり、国内の生命科学の研究者らから非難の声が上がった。

 国立成育医療研究センターの松原洋一所長は、「倫理的な問題を十分に検討せずに、突き進んでしまった。科学者の暴走だ」と批判した。北海道大の石井哲也教授(生命倫理)は、「ゲノム編集の結果、先天異常の子どもが生まれるかもしれず、子どもの意思とは無関係に、親の同意だけで行われてしまうのは人権的にも問題だ」と指摘した。

 今回のゲノム編集は、エイズウイルス(HIV)に感染しないよう、体外受精の際に遺伝子を改変したとされる。

 ゲノム編集は、遺伝子を効率よく改変できる一方、想定外の遺伝子を改変してしまう恐れが指摘されている。受精卵の段階での遺伝子改変の影響は、子どもだけでなく、その子孫にも及ぶ可能性がある。親が望む容姿や能力を持たせた「デザイナーベビー」誕生につながる恐れもある。

 妊娠、出産目的の受精卵の遺伝子改変について、欧州などでは法的に禁止している。日本は、ゲノム編集した受精卵を子宮に戻すことを、今年春から指針で禁じる方針だ。ただ、禁止する対象は、遺伝子治療を目的とした臨床研究や、生殖補助医療に役立つ基礎研究で、医療行為に対する規制はない。石井教授は「指針では罰則もなく、限界がある。親らに、リスクがある医療行為に安易に参加しないよう注意を促していくことも重要だ」と話す。

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