「頭が柔らかくないといけないが、執着心も必要」…真逆の研究信条の吉野氏

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ノーベル化学賞の受賞が決まり、リチウムイオン電池の模型を手に笑顔を見せる吉野彰さん(9日午後8時19分、東京都千代田区で)=池谷美帆撮影
ノーベル化学賞の受賞が決まり、リチウムイオン電池の模型を手に笑顔を見せる吉野彰さん(9日午後8時19分、東京都千代田区で)=池谷美帆撮影

 今年のノーベル化学賞に決まった吉野彰・旭化成名誉フェロー。「10年先を見通し、解決するのが新しい技術開発」。そんな強い思いが、スマートフォンなど現代のモバイル社会の実現に欠かせないリチウムイオン電池を開発する原動力となった。

 「研究の醍醐だいご味は実験。特に予想外の結果が出た時が面白い」。1972年に旭化成に入社して間もない頃は、化合物の新しい用途を考える研究に明け暮れた。貼るとガラスが割れにくくなるフィルム、燃えにくい断熱材……。様々なアイデアを考えたが、商品化につながらなかった。

 地道な研究を始めて、10年目。白川英樹・筑波大名誉教授(2000年化学賞受賞)が発見した、電気を通す性質を持つ「ポリアセチレン」を電池の材料として使えないか検討を始めた。この着想が、電池の小型化を可能にする特殊な炭素材料の開発成功につながった。「研究者は頭が柔らかくないといけない。真逆だが、執着心、あきらめないことも必要だ」。9日夜の記者会見で、自らの研究信条をこう語った。

 電池の安全性を検証する実験は「何が起きても絶対大丈夫なように」と、宮崎県延岡市にある旭化成のダイナマイト試験場で行った。強い衝撃を受けても発火しないことを確かめるため、弾丸を撃ち込んで貫通させたり、重さ5キロの鉄塊を落としてぶつけたり。そんな過酷な条件にも、電池は耐え抜いた。「この人生最大の野外実験の成功が、リチウムイオン電池誕生の瞬間だった」

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837620 0 テクノロジー 2019/10/09 21:24:00 2019/10/09 22:52:03 2019/10/09 22:52:03 ノーベル化学賞の受賞が決まり、記者会見でリチウムイオン電池の模型を手に笑顔を見せる旭化成の吉野彰・名誉フェロー(9日午後8時19分、東京都千代田区で)=池谷美帆撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/10/20191009-OYT1I50061-T.jpg?type=thumbnail

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