美しさだけじゃない…宝石が宇宙の謎解きに役立つ理由

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 岐阜県飛騨市の山中で2月下旬、宇宙から届く時空のさざ波「重力波」を観測する巨大装置「かぐら(KAGRA)」が本格稼働した。観測を支えるのは巨大なサファイアだ。ダイヤモンド、ルビー……鮮やかな輝きで人々を魅了する宝石は、宇宙・地球の謎解きなど最先端科学の陰の立役者でもある。

震えない「鏡」 重力波をキャッチ

 無色透明から赤、青などと多彩な輝きを放つ宝石は、とても硬い。原子レベルの構造に秘密がある。例えばダイヤは炭素原子、サファイアやルビーは酸化アルミニウムが規則正しく並び、互いに強く結びついた結晶だ。傷がつきにくく、美しさを保ち続けるこの特質は、実は現代の科学にも大きな魅力だ。

 かぐらは、重力波が通り過ぎると生じる「数百兆分の1~10けい分の1ミリ程度」というわずかな時空のゆがみを、長さ3キロ・メートルの真空パイプの伸び縮みで観測する。その心臓部に、巨大サファイアの鏡(直径22センチ、厚さ15センチ)が使われている。鏡の間でレーザー光を何度も反射させ、光の往復時間がずれた瞬間をとらえる。

 結晶中の原子は、熱で常に震えている。肉眼ではとても見えない極微の震えだが、精密な観測の邪魔となる。硬いサファイアは熱による震えが大きくなりにくく、氷点下253度でほぼ震えなくなる。計画当初から関わる黒田和明・東京大名誉教授は、「レンズにも使われる蛍石も検討したが、もっと温度を低くしないと使えない。サファイアはベストの材料だった」という。

宇宙から届く時空のさざ波「重力波」を観測する巨大装置「かぐら(KAGRA)」
宇宙から届く時空のさざ波「重力波」を観測する巨大装置「かぐら(KAGRA)」

 地球で最も硬いダイヤも研究で存分に生かされている。「これで地球内部の超高圧状態を再現できる」。広瀬敬・東京工業大教授は、富士山形にカットされた高さ2ミリのダイヤ(0.2カラット)を指先に置いてみせた。

 頂上を合わせるように2個を重ねて圧力を加え、2010年に世界で初めて地球中心部の364万気圧を達成。地球の最深部の鉄の結晶構造を明らかにした。ダイヤの硬さがあってこそだ。

赤ダイヤの輝き 高性能センサーに

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1226028 0 科学・IT 2020/05/18 09:51:00 2020/05/18 09:51:00 2020/05/18 09:51:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200515-OYT1I50042-T.jpg?type=thumbnail

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