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微生物は宇宙で3年間生存…東京薬科大など、地中細菌をISSの外側にさらす実験

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宇宙空間にさらされ地球に戻ってきた菌の塊=スイスの学術誌「Frontiers in Microbiology」提供
宇宙空間にさらされ地球に戻ってきた菌の塊=スイスの学術誌「Frontiers in Microbiology」提供

 東京薬科大や宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)などの研究チームは、地球上に広く分布する微生物が宇宙空間で約3年間、生き延びることができたとする実験結果を発表した。生命が強い紫外線などが飛び交う宇宙を長時間移動できる可能性を示した成果で、26日付のスイスの学術誌に掲載された。

 地球の生命の起源をめぐっては、微生物などが宇宙から飛来してもたらされたとする仮説がある。研究チームは2015~18年、地球の地中などにいる細菌が集まった塊五つを国際宇宙ステーション(ISS)の外側の宇宙空間にさらし、生き延びる能力があるかを検証した。

 塊はそれぞれ200万~23億個の菌が休眠状態で密集していたが、地球に持ち帰って解析した結果、10億個以上の塊では全体の数%が生存し、培養液の中で再び増殖した。生き延びた菌は周りの菌に守られたことで紫外線によるDNAの損傷が少なく、修復された可能性があるという。

 研究チームの山岸明彦・東京薬科大名誉教授によると、ロシアなどのチームが紫外線を遮断すれば、微生物の胞子が宇宙でも生きられたとする実験結果を発表したが、紫外線の当たる環境で微生物の生存を確認したのは初めて。

 山岸名誉教授は「宇宙飛来の仮説があり得ることを示す証拠の一つが得られた」と話している。

 藤島皓介・東京工業大地球生命研究所特任准教授(宇宙生物学)の話「微生物の生存を、紫外線が強い宇宙空間で実証した意義は大きい。惑星間の長距離移動には、温度変化や衝撃、宇宙放射線など過酷な環境にも長期間耐えられる必要があり、さらなる検証を期待したい」

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1434349 0 科学・IT 2020/08/26 15:00:00 2020/08/26 16:19:45 2020/08/26 16:19:45 宇宙空間にさらされ、地球に戻ってきた菌の塊(スイスの学術誌「Frontiers in Microbiology」提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200826-OYT1I50048-T.jpg?type=thumbnail

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