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雲の面白さに「はまった」研究官、映画「天気の子」を監修…ツイッターで「防災」促す

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 読売新聞では科学や技術に関わる人間の魅力に迫る「サイエンス・ヒューマン」を掲載しています。今回は大ヒット映画「天気の子」の監修も手掛けた、気象庁気象研究所研究官の荒木健太郎さん(35)です。(科学部 天沢正裕)

 

雲を擬人化して説明

 7年ほど前のこと。研究に行き詰まり、気分転換のつもりで落書きをした。

 空気の塊(パーセル)に顔をつけ、雲ができる仕組みを描いた。空気の塊がビールを飲むように周りの水蒸気をあおり、飽和すると水を吐き始めて、雨が降る――。

自作の「パーセルくん」などキャラクターを使うと、雲のしくみを説明しやすいという。研究室の壁は鮮やかな雲の写真で埋まっていた(4日、茨城県つくば市の気象庁気象研究所で)=天沢正裕撮影
自作の「パーセルくん」などキャラクターを使うと、雲のしくみを説明しやすいという。研究室の壁は鮮やかな雲の写真で埋まっていた(4日、茨城県つくば市の気象庁気象研究所で)=天沢正裕撮影

 雲の複雑な物理現象を擬人化して説明すると、スッと頭に入ることに気づいた。

 気象キャラクター「パーセルくん」が誕生した。雲の本を書くと、気象講演の声がかかり、アニメ映画の監修を依頼されるまでになった。

 「いつの間にか、雲について『雲目線』で考えるようになっていた。雲や空の気持ちが、理解できるようになった気がする」

 まるで雲との恋に落ちたかのように話す。

映画で実際に描かれた画像((c)2019「天気の子」製作委員会)
映画で実際に描かれた画像((c)2019「天気の子」製作委員会)

荒木さんが気象監修しコメントを添えた絵コンテ
荒木さんが気象監修しコメントを添えた絵コンテ

発売中の「天気の子」Blu‐ray&DVDのジャケットにも美しい雲が描かれている(発売元:STORY/東宝 販売元:東宝)
発売中の「天気の子」Blu‐ray&DVDのジャケットにも美しい雲が描かれている(発売元:STORY/東宝 販売元:東宝)

雲に「恋した」きっかけ

 高校時代、好きなのは数学だった。数学を生かし、人や社会の役に立ちたい。2003年に大学の経済学部に入ったが、「この研究をしたい」と思えるものがなかった。

 大学1年の時、進学先候補の一つだった気象大学校を受け直し、進路を変えた。気象庁に入庁後は、地方気象台で働きながら、その地域に特有の風や霧の発生条件を探り、観測や想定実験でメカニズムを明らかにしていった。

 「数学的な方法で結果を出して、予報の改善という形で社会にも生かせた。気象研究の道を究めたいと思い、気象研究所へ進んだ。当時、雲は研究対象でしかなかった」

 その頃、雲について一般向けの本を書く依頼があった。数式などをなるべく使わずに説明するのは、案外難しい。そんな時、パーセルくんがひらめいた。

 14年、パーセルくんを軸に書いた「雲の中では何が起こっているのか」(ベレ出版)を出版した。キャラクターを使った雲の説明を考えているうちに、自分が雲の面白さや奥深さに、はまっていった。

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1456286 0 科学・IT 2020/09/05 09:56:00 2020/09/05 11:42:45 2020/09/05 11:42:45 手書きのイラストを使ってわかりやすく気象の仕組みを説明する荒木健太郎研究官。研究室の壁一面には様々な雲の写真を貼っている(8月4日午後3時1分、茨城県つくば市の気象庁気象研究所で)=天沢正裕撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200831-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail

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