「H3」1号機打ち上げ、21年度に延期…燃焼試験後にタービンのひび見つかる
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宇宙航空研究開発機構(
H3は、現在の主力ロケット「H2A」の後継機。JAXAと三菱重工業などが開発を進めており、2~5月に種子島宇宙センター(鹿児島県)で新型エンジンの燃焼試験を8回実施した。
ひびが見つかったのは、タービンの動翼の一部。エンジンを運転中に振動が大きくなる「共振」が起き、強度が低下したとみられる。対策として、タービンを設計し直し、効果を検証する。
このほか、燃焼室の内壁からも、14か所の穴(最大幅0・5ミリ、長さ1センチ程度)が確認された。内壁が1000度近くまで高温になり、変形したとみられる。冷却機能を強化し、内壁の温度上昇の低減を図る。
JAXAの山川宏理事長は、11日の記者会見で「エンジンの技術的な課題への対応は、万全を期すべきだと判断した」と話した。21年度に予定していた2号機の打ち上げも、22年度にずれ込む見通しという。