敵か?味方か!体に潜む39種類の「共生ウイルス」

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 新型コロナウイルスに代表されるように、ウイルスは生物に害を与える「病原体」というイメージがある。一面では正しいが、人体に特段の症状を起こさず、普段から共生している様々なウイルスがいることも分かってきた。何らかのきっかけで病気を引き起こすこともあれば、人体に有益な働きをすることもある。(木村達矢)

エイズ感染を防ぐウイルスも

新型コロナウイルス(国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルス(国立感染症研究所提供)

 インフルエンザやエイズなど病気を起こすウイルスは、よく研究されている。だが、体に潜む共生ウイルスについてはほとんどわかっていない。

 東京大医科学研究所の佐藤けい准教授(ウイルス学)の研究チームは、あらゆる臓器や組織にウイルスが共生し、少なくとも39種類に上ることを明らかにした。解析したのは、事故や心不全など感染症以外で亡くなった547人の臓器などに含まれる遺伝情報を集めた米国のデータベースだ。人や動物に感染する約5600種類のウイルスの遺伝情報と照らし合わせ、脳や心臓、筋肉などに共生するウイルスをあぶり出した。

 特にチームが注目したのは、胃の中で検出したヒトヘルペスウイルス7型(HHV―7)だ。胃の検体の約37%から見つかり、消化酵素など胃の働きが活性化していた。

人体に潜む共生ウイルスの研究を進める佐藤佳・東京大准教授(右)(東京大医科学研究所で)
人体に潜む共生ウイルスの研究を進める佐藤佳・東京大准教授(右)(東京大医科学研究所で)

 少数例だが肺や血液にいたGBウイルスCは、エイズウイルスの感染を防ぐことが知られている。ウイルスがなぜ共生しているのかなど、詳しい解明は今後の課題だが、佐藤准教授は「人体に何かいい作用を及ぼすウイルスがいるかも」と期待する。

 一方、体内で何をしているのか全く分からないウイルスもいた。トルクテノウイルス(TTV)は、心臓や卵巣などで見つかったが、人体側の反応をほとんど引き起こさず、ただひっそりと体内にいるようにみえる。

 逆に、普段は潜伏感染しているものの、免疫が弱まったときなどに病気を引き起こすウイルスもいる。肝臓の中にいて肝硬変や肝がんを引き起こすC型肝炎ウイルス(HCV)や、帯状疱疹ほうしんを起こす水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)はよく知られている。

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1504415 0 科学・IT 2020/09/27 13:37:00 2020/09/27 20:30:48 2020/09/27 20:30:48 人体に潜む共生ウイルスの研究を進める佐藤佳・東京大准教授(右)(東京大医科学研究所で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200924-OYT1I50091-T.jpg?type=thumbnail

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